第3話:最凶の特級
アンフィニ祐です。
新たな敵、出現。
「なんなんだ・・・⁉」
「相棒。どうした・・・。」
一透が目をこすりながらそう言った。
「敵襲カ?」
「・・・これは・・・特級か?今までの災害級より強くないか?これ。いや・・・今までのは災害級ではなかったのか。よくて準1級ってとこだろうな・・・面倒なのがでてきたよ。」
「敵がどういうものかまだ分からない。なんなんだ・・・?」
大佐が双眼鏡で覗く。
「敵ハ人形デ大体170cm」
「仕方ない。急ぐ。」
バルコニーから飛び出す。
「アト、尻尾ガ、エェ・・・・見テミロ。」
しかし涼は既に外へ出ていたのだ。
「大佐?」
それは変身状態の大佐そっくりだった。
「気にすることはない。取り敢えず・・・絶流斬、肆式。」
しかし躱され一瞬にして涼の後ろに移動して服をつかみ涼を地面に叩きつける。
しかしそこに涼は既にいなかった。
「まんまと引っかかってやがるよ。」
「オモシロイ、コレガ、タノシイ、カ」
「続いて絶流斬伍式、電撃斬。」
一瞬にして消えて懐が気づくと裂かれている。ダメージは入るものの大佐みたいにすぐ回復した。
「絶流斬弐式改、竜巻斬り。」
広範囲にダメージを与えていく。
「兄貴・・・あれは・・・なんで・・・?なんで大佐そっくりのやつがいるの?」
「ウセロ。」
「不味い・・・!」
涼が防御に入ろうとする。
しかし貫き手で心臓を貫かれる。
「貴様。何をした?」
それは冷たく、圧倒的な怒気をはらんで言う。
そして後ろから大佐がパイルで串刺しにする。
「私ゴトヤレ」
「絶流斬・・・参式。流れ龍撃!」
確実に大佐もどきだけをやる。
しかし直ぐに治り大佐の心臓にある核をもぐ。
「コレデ、”サイゴノパーツ”ガ、ソロッタ。」
大佐が核を取られたせいで回復していない。
「・・・。」
涼の付近が爆発する。しかし爆風の中から涼が出てくる。
しかしその涼は能力発動時とも違うものだった。荒々しく、髪は伸び切っており、目はワインレッドと言うのが相応しい色をしていた。
「貴様を殺す。」
「モウオマエニヨウハナイ」
すると大佐もどきが大佐の核を咥えてどこかに消える。
「逃さん。絶流斬、拾弐式。」
しかし大佐もどきが影に潜り行方をくらます。
しかしすぐさま追撃して四方八方から斬撃が来る。まず避けられない。
すると大佐もどきが大佐の核を噛み砕き吸収する。
「絶流斬壱式、太刀。」
異常な火力の斬撃が来る。
しかし、切られた途端尋常じゃ無い速度で回復して無効化する。
「絶流斬伍式極、極電撃斬。能力発動。」
すると涼が一瞬にして大量に現れる。
「絶流斬・・・捌式。」
しかし刀の刃が入らず切れない。
「雑魚・・・だな。」
涼はすでに横を通り過ぎていた。
すると尻尾の方が涼の横腹に食らい付き食いちぎる。
しかしそもそも触ることすら出来なかった。すでに木っ端微塵へと変貌していたのだ。
「絶流斬拾参式、早討ち。」
倒したものの核が見当たらない。
「絶流斬拾式、火竜絶撃。」
更に細かく微塵切りにしつつ、燃やし尽くす。
するといきなり涼の体に風穴が開く。
「 が は っ 。 」
すると偽大佐が後ろから涼の首を絞めて首の骨を砕く。そうして偽大佐が涼の持ってた刀を拾う。
「コレハ・・・」
「絶流斬壱式、太刀。」
偽大佐へ再び巨大な斬撃の衝撃波が飛んでくる。
しかし当たらず尻尾からレーザーの様な物を発射し建物がスパッと切れる。
「ヨケタカ」
「ああ。お前の攻撃なぞ屁でもねえ。手加減されていることにいい加減気づけ。」
「面白イ、コンナニも昂った相手ハ久シ振リだ。」
「あっそう。」
そっけなく言う。そして偽大佐が
「潰レろ」
と言うと涼が何かに押されて潰される感覚がする。
「なんだと?(なんなんだ?この技は。ただ、少し驚いただけ。大した問題はない。)」
何事もなく起き上がる。
「ブラックホール」
周りの建物や地面が吸い込まれる。
「面倒だな。これは。ただな。質量があるなら俺の勝ちだ。ワープホール。」
一瞬にして消滅する。
「まぁ、良いか、時間稼ぎが出来た事だし。」
「残念でした。絶流斬、玖式、最大出力!」
斬撃そのものが飛翔してくる。壱式とは全く違う。
しかしひらりと躱す。
しかし再追尾してくる。
そうして偽大佐が真っ二つになるが、こいつも核が無い。
「本体でもあるのか・・・?」
するとアンナが本物の大佐を氷魔法で冷凍保存していた。
「とすると、本体は何処だ?」
涼が倒した偽物の残骸の服に【EVE HAVE YOU】と書いてあった。
「常にお前を見ている、か」
「まだ終わっていない。・・・」
涼が深呼吸する。
「俺がする最期のことだ。・・・還ってきてくれ・・・!藤花・・・!」
藤花の傷が癒えて行く。すると藤花が目を覚ます。
「馬鹿な・・・!」
一透は驚きを隠せない。
「まだだ。大佐。アンタも還ってこい。」
するとさっきと同様、大佐が復活する。
「まだだ。」
「アレ、カラダガ・・・」
大佐の能力が無くなっていて体も質量保存の法則が働いてちっこくなっている。
「すまん。取り戻せなかった。ただ。ちょっと全員来てくれ。」
「どうしたんだ?相棒。」
「・・・兄貴?」
「私の薬の実験に付き合ってくれるのかい?」
「涼さん?」
神奈も来る。
そうして全員がやってくる。
「いい知らせと悪い知らせが1つずつある。どっちから聞きたい?」
「ちょっと待って大佐が何であんなにかわいら、小さくなったの」
「時間がない。早くしてくれ。」
「ジャア、イイニュースカラ」
「ここにいる全員が能力強化か能力がリスク無しで増やすことができる。どんな能力が出るかは知らんが。」
「じゃあ悪いニュースは?」
「俺はそろそろ死ぬ。あと1日と保たないだろう。」
「大丈夫。兄貴は絶対に死なせないから、絶対何度でも何度でも死んでも生き返らすから。」
藤花の声のトーンが低い。
「そんな事は何があろうとも絶対にさせないし出来ない」
ふと思い出したかのようにみんなに向かっていう。
「この状態を維持する方法が一つだけある。」
「それって・・・⁉」
「常に能力を発動しておくんだ。そうすれば生きてられる。・・・ただ、そんな体力と気力は俺にゃ残されちゃあいねぇ。・・・それに面白いことを教えてやろう。・・・準2級がすぐそこにいるんだ。・・・お前たちではやれない。・・・という事で俺があれを全て処理してくる。じゃあな。」
涼が刀を構える。
「絶流斬参式、流れ龍撃。」
準2級の大群を斬り飛ばして進む。
そして涼は全てを仕留めると帰ってくる。
そのまま能力を解く。
「ここまでのようだ。」
涼の体から光の粒子が出てくる。
「相棒・・・」
「すまんな、一透。もうお前の隣にはいられない。あとお前、俺に違和感があると言ってたな。それは俺が能力を常に発動状態にしていたからだ。でないと死ぬのが見えていたし、未来視で偽物が現れるのも感づいていた。だから能力は解かなかった。解いてたらまだ生きてたかもしれんがすぐ死んでるだろう。あいつのせいでな。まぁいい。」
「俺達はお前を見送ることしか出来ないのか?」
「命は尊く、儚いものだ。俺はきっとお前たちと会うことは二度と無い。つまりこれで本当にサヨナラだ。」
そうして涼はその言葉を言い終えたその刹那、体が光り輝き、大量の光の粒子となって散った。
「馬鹿やろぉぉぉぉぉぉぉ‼」
一透の咆哮とも言える叫びが木霊するのだった。
その頃地中海沿岸のある海域では。
《何者か!!所属と階級を名乗れ!!》
EUの艦隊と大佐もどきがエンカウントしていた。
「魔物か?」
「わかんねぇよ。しかし、あんな人間に近いタイプの・・・」
「何でボロボロの米軍のリュックなんか背負って」
「知るか」
「魔物に人間の言葉なんて・・・」
「黙ってろ。」
《どうした、名乗れ!》
「いやちょっと待て。こいつまさか報告にあった―――」
「あー、私は君たちを殺したい。良いよね、殺して」
「・・・あ?」
そしてEU艦隊からの通信には艦隊が沈んでいく音と
「ハハッ、楽しい!ハハハハハハハ!さぁあ、人類諸君、戦争の時間だ、アハハ、アハハハハハハハ!」
と言う声が聞こえて来た。
そうして場面は涼が消え去った直後へと移る。
「みんな、悪いニュースだ。今すぐ日本に戻るぞ、富士樹海の発生源に活動反応」
「・・・遺品も残さないなんて。・・・相棒。」
「アイツハカンゼンニキエタワケジャナイ、オマエラノキオクノナカニマダイルサ」
「・・・この世界からは完全に消えている。鬼神家の蘇生を使用しても復活しない。普通は魂がこの世に残る。魂さえあれば体は構築できる。ただ、鬼神家は能力で死んだ場合、魂も残らず消え去る。」
「サナ、オトナノカラダニナルクスリハアルカ?」
「はい・・・どうぞ・・・。」
佐奈は薬を投げる。
「アァ、ありがとな。」
元のサイズに戻る。
「私は一度本国に戻ってこの状態の報告に行ってくる。」
大佐が最寄りの軍港に向かっていった。
「さぁ。学校にかえるぞ!」
「私は、ベルリンの復興があるから次の学期の始まりには来れるかな。」
春馬が落ち込んでいる全員を叩き起こさせる。
「ああ・・・ああ・・・!そうだな・・・!」
そうしてアンナと大佐以外が日本に帰投する。
これが失いと哀しみ。




