表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ある愛の詩 なぁんてね

作者: 秋葉竹



「ある愛の詩」って

とっても古びた映画があって

原作が小説だったような気もするけど

ちゃんとは知らない

そんなことを知らなくてもかまわないのは

云いたいことが

「ある愛の詩」の話ではないから

って

なら

なんで鉤括弧付きで「ある愛の詩」とか

冒頭で書いたのか?

いやべつに

ほかの鉤括弧でも良かったんだよ

「ベンハー」とか

「十戒」とか

「用心棒」とか

「男と女」とか

「明日に向かって撃て」だとか

「俺たちに明日はない」だとか

それにさ

「ローマの休日」も

「ティファニーで朝食を」でも

「ダーティーハリー」でも

「サウンドオブミュージック」でも

「真夜中のカーボーイ」でも

なによりも

「風と共に去りぬ」でさえ

とっても古びた映画になるんだよなぁ

ってことが云いたいのかな

なんだかちゃんとはわからないや

それらのいわゆる名作や大好きな映画

そういったものどもさえ

生き残らないんだと

「時は全てを流し去る」とは

どの映画のだれのセリフだったか

人間というのは

種としては

成長なり進化なり

退廃なり革新なり

希望なり断絶なり

いろんな変化を感じては

時を進みつづけてゆくのだろう

けれども一個のひととしては

ただ

古びてゆくだけなのかなと

神さまにお願いしたいほど強く

ならば時よ止まれよと

大嫌いなんだ

便利になってゆくだけだなんて

失われたものの価値を

知らない不幸を嘆けよと

生まれればそのうち死ぬというほどの

ぜったいに信じられる真実

それを知っても

その死後の噂話は聴けないのも真実

死後に残る詩なら書けるけどね

なぁんてね

今日も奇跡の扉を開けながら

朝靄の中から帰って来る

君を待っているよ

可憐に舞いながら飛び込んで来る君を

逸らさない一途な瞳で探しつづけて

すこし深刻ぶったくだらない歌でも

お気楽に歌いながらね

なぁんてね







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ