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桃太郎・サード  作者: O
2/2

第二話「太陽は昇る」

プロトタイプ版になります、それでも良いという方は読んでいただければ励みになります...!!

///////////////////

僕は暗闇の中にいた。

その中に一縷の光が見える、遠く遠くに向かって渦巻いている光、ここはどこだ?僕は……どうしたんだっけ?

「トオル」

背後から声がした

「父さん、いたんだ。ここはどこ?」

父さんは少し黙ってから僕の質問には答えず、言った。

「トオル、お前とはここでお別れだ」

「え、何……言ってるの?一緒にあっちに行こうよ、光が見える」

「トオル、もうわかっているんだろう?俺はそちらにはいけない」

「なんで?意味わかんないよ!」

「トオル、俺はあっちでお前を見守っている」

「いいからこっちに来てよ!!!」

「トオル、大丈夫だ。お前がどれだけ暗い暗い夜に居ようと……」

「……」

――『いずれ、太陽は昇る。』

///////////////////


眩しい朝日を受けて、トオルは目を覚ました。

「トオル!!!」

「…………こずえ」

こずえはトオルにギュゥッと抱きつき、大粒の涙を流す。

「良かった゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~!!」

「痛い痛い痛い!!!」

「あぁっ!ごめん!!」

「だ、大丈夫……。ここは……?」

「ここは茶屋、昨日行った吉田茶屋のおじさんが泊めてくれたの、その奥の寝床。……村には居られないから……」

「村……そうだ!村はどうなったんだ!?」

「…………」

「こずえ!!!」

「……村は、全焼した。……生き残りは村人十七人のうち、うちら二人だけ。」


トオルは呆然とする、何も言えなくなる

「うちはあの時、井戸に飲み水を汲みに行ってたの。そしたら、あんなことに……」

「そうだった、のか…… でも、こずえが生きててよかった……」

「うん……あっ……」

こずえは何かを思い出し、怪訝そうな顔をして聞く「あの数の鬼……あれは、トオルが倒したの……?」

「!!!」

(あの鬼達は、おそらく僕が倒した……。気絶して目覚めたら身体が鬼化してて、鬼達が死んでいて……)

「トオル?」

「あっ、いや……」

(でも、それがバレたらどうなる……?そもそもどう説明すればいい……!?)

「いや、あの鬼は、…………父さんが、倒した。でもその時に鬼と相打ちになって、父さんは死んでしまった。」

「お父さん、が……?」こずえは、少し引っかかったように聞く

「う……うん」

「そっ、か……」

「……」

「……」

そこから長い間二人は押し黙っていた。そうしてから、トオルが少しずつ話し始める。

「あの、さ。」

「うん」

「僕、旅に出るよ。」

「旅!?......って?」

「えと、何から話せば良いのかな……うーん……」

「?」

「実は僕……………………桃太郎の子孫、らしくて。」

「え!?桃太郎って……え?あの桃太郎?」

「うん、なんていうか、伝説の。」

「えぇ?え!?えーーー?」こずえは尻尾がパタパタと動いてしまって、困惑を隠しきれない様子だった。

(えぇ?どういうこと?!じょ、冗談?まさか、トオルはそんな冗談言わないし……しかもこんな時に……)


困惑したこずえを見ながらも、とりあえず話を進める。「……だから犬、猿、キジ、それぞれの国にいる、桃太郎一行の子孫に会いに行かなきゃなんだ。」

「……」こずえは戸惑いながらも話を聞く

「それが、父さんの遺言でもあるから……」

トオルは昨夜あったことや、告げられた父の遺言の詳細をこずえに話し始めた。ただ一つ鬼の母のことを除いて。母が鬼であるとすると、自分が半分鬼であることについても知られることになる。それを正直に言うことは、トオルには何か抵抗があった、自分でもまだ信じられていないことでもあった。

「……だから、村が襲われたのは、僕のせいかもしれない。」

「!!!っ違うよ!!うちがトオルを街に連れていったから……」

「いいや、僕のせいだ。」

「っ……」


少し経って、ガララッと音がして二人はそちらに振り向く

「目が覚めたのか!!!よかった……」吉田のおじさんだ、僕が目を覚ましたことに安堵しているようだった。

「こずえ、トオル、二人とも気が済むまでここで寝泊まりしていいからな……」

おそらくすでに昨日の事件の噂が広がっているんだろうと思えた……ひどく僕らに同情しているように見える……

「ありがとうございます、でも。僕は明日の朝にも旅に出ようと思います。」

「えっ、た、旅?」おじさんもこずえと同じく、困惑している。

「ちょっと待ってよ!明日にも!?いくらなんでも早すぎだよ!」こずえが驚いた様子でいう

「こずえ、僕がここにいれば、この街にも被害が及ぶかもしれない。」

「……!!」


「僕は、ここにいちゃいけない。…………もう誰も自分のせいで死なせるわけにはいかない。」

こずえはトオルの静かな、しかし強い覚悟を感じ引き止めるのは無理だろうと悟った。

「わ、分かった!じゃあその旅、うちもついて行く!トオルを一人になんてできない!!」

「!!……ダメだ、危なすぎる!」

「やだよ!こんなお別れなんて!もう会えないかもしれないでしょ?!」

「こずえ、いつか必ず帰るって約束する。……分かってくれ。」

こずえは涙目で座り込んで黙ってしまう、ミミもしおれている。吉田のおじさんは何もわからず言葉を詰まらせている。そうしてこずえが立ち上がり何かを決意したように言い出す。

「分かった……!でも昨日、一緒に外に出ようって話したよね!」

「いや、それは……」

「だから、最後にお別れする前に今日だけは、街で一緒に思い出を作ろう! 出発は明日だから、いいでしょ?」

「!!……分かった、そうしよう。」

それを聞いて、こずえは泣きそうになった目を拭う。

「じゃあ、今すぐ行こうっ!行くよ!」こずえがトオルの手を取って部屋の外に向かう。

「うん!!」

「おい!待ってくれよ!俺への説明は無しか!」おじさんは慌てていう

「帰ってきたらうちが話すから!また後で!」そう言って二人はすぐに外へ駆け出して行った。

続き1万文字ぐらいは書けていて、絶賛推敲中ですー

これから世界を巡る、冒険に出ます。

X→ https://x.com/O_novels

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