輝かしい高校生活
よろしくお願いします
「……おい、お前。」
だらしなく椅子に寄りかかっている気の強そうな顔の生徒が目の前を肩をすぼめて通りかかった気弱そうな生徒に対し当然話しかけていた。
声をかけられたことでその生徒は生気を失ったように顔色が青白く変化し手も小刻みに震え今にでも倒れそうになっている。その光景を見て何も思わないのかはたまたどうでもいいのか区別はつかないが気遣いの言葉なしに。
「俺のカードと交換しろ。」
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そこかしこから汚い笑い声が聞こえる。
一人の生徒の周りをクラスの半数が囲みリンチにしている。そいつは頭だけは殴られないようにと手で守りながら図体がでかいながらも小さく殴られるところを最小限にしているようだ。
その光景をみるとなぜか笑いが込み上げてくる。
手を口元に寄せソイツに笑いながら近づくとクラスメイト達が自分の周りを避けているのが見えたがそんなのはどうでもいい。しゃがんでそいつ髪を掴み無理矢理顔をあげてやる。髪の毛の奥にはいつも通り温かみのない真っ黒な瞳があるだけ。
掴んだままの手を自身の顔に近づけにっこりと効果音がつきそうなくらいのわざとらしい笑顔で話しかける。
「毎日いじめられにくるなんてご苦労様なことで、優等生様。」
「…」
「お前はなんのために学校にきてるんだぁ?いつきても俺たちにいじめられるだけ。」
目を細めてそいつに問う。
どんないじめをしてもこいつは感情をあらわにしない。暴言暴力何しても顔色一つ変えないし反撃もしてきたことさえない。いつもの真っ黒な瞳が俺を覗くだけ。
「まあ、無口くんなお前に答えて貰おうなんて思ってないけどな。
ただ一つだけ確定してるのはこのゲームが続く限りお前はいじめられ続けるだけだ。絶対にな。」
睨みつけるように目を向けながら吐き捨てたように言い張った主犯格と思われる金髪の男は後ろに大柄な男と背丈が高い男を引き連れてドアから出て行った
そのあとにいじめられていた男が口元に笑みを浮かべていたと知らずに…
ありがとうございました。