表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

STORIES 051: 83%のシンパシー

作者: 雨崎紫音

STORIES 051

挿絵(By みてみん)



SNSに投稿したりしていると…

それを目にした方々から、いろんな意見や感想を貰うことがある。


ある人は、歌う声がいいねと言ってくれる

ある人は、やりとりが楽しいと言ってくれる

ある人は、写真が素敵だと言ってくれる

ある人は、料理を美味しそうだと言ってくれる

ある人は、選曲に共感すると言ってくれる

ある人は、文章が好きだと言ってくれる


たまには、とてもつらそうだねなんて慰めてもくれる


誰かが自分に向けた興味の対象が、それぞれに全く違うところを向いているのが、僕にとっては興味深い。


いくつもの側面、いくつもの自分。

いまあなたが見ているのは、どんな姿なのだろう?


つくられた虚像か。

それとも、心の奥底に沈む真の姿なのか。


.


いつも好感ばかりではない。

見るだけでイヤだという人もいるだろう。


それでも僕は構わない。


すべての人に好かれようなんて思わない

すべての人に理解されるなんて考えない

すべての人を愛するなんてできない


すべての人を受け入れてゆく、なんて…


.


例えばいつも優しいあの人は、

暗く沈んだ僕を見て、

慰めようと試みてくれるかもしれない。


或いは…

なんか違うんだよねと、立ち去るのかもしれない。


例えばよく会うあの人は、

僕の食事の仕方を見て、

なんだか気に入らない、なんて思うのかもしれない。


或いは…

テーブルをともにして、食後の珈琲まで付き合ってくれるかもしれない。


.


本当の自分はどれなのだろう?


それを心の底から楽しんでいるのだろうか。

人の目を気にして振る舞っていないだろうか。


時々、わからなくなる。


自分は誰かに求められているのだろうか。

心底必要とする誰かにまた出会えるだろうか。


時々、遠くを眺めたくなる。


.


たぶん、完璧なものなどこの世に存在しない。

すべてが期待通りになることもない。


そんなこと、もう求めてもいないけれど。


でも、83%くらいの共感は欲しいよね。

寄り添って歩けるような身近な距離で。


薄暗い部屋でぼんやりとそんな事を考えている、

眠れなくなった、ある明け方。


17%くらいは、もの足りなくてもいいのかな。

そんなふうに感じた朝。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ