STORIES 051: 83%のシンパシー
STORIES 051
SNSに投稿したりしていると…
それを目にした方々から、いろんな意見や感想を貰うことがある。
ある人は、歌う声がいいねと言ってくれる
ある人は、やりとりが楽しいと言ってくれる
ある人は、写真が素敵だと言ってくれる
ある人は、料理を美味しそうだと言ってくれる
ある人は、選曲に共感すると言ってくれる
ある人は、文章が好きだと言ってくれる
たまには、とてもつらそうだねなんて慰めてもくれる
誰かが自分に向けた興味の対象が、それぞれに全く違うところを向いているのが、僕にとっては興味深い。
いくつもの側面、いくつもの自分。
いまあなたが見ているのは、どんな姿なのだろう?
つくられた虚像か。
それとも、心の奥底に沈む真の姿なのか。
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いつも好感ばかりではない。
見るだけでイヤだという人もいるだろう。
それでも僕は構わない。
すべての人に好かれようなんて思わない
すべての人に理解されるなんて考えない
すべての人を愛するなんてできない
すべての人を受け入れてゆく、なんて…
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例えばいつも優しいあの人は、
暗く沈んだ僕を見て、
慰めようと試みてくれるかもしれない。
或いは…
なんか違うんだよねと、立ち去るのかもしれない。
例えばよく会うあの人は、
僕の食事の仕方を見て、
なんだか気に入らない、なんて思うのかもしれない。
或いは…
テーブルをともにして、食後の珈琲まで付き合ってくれるかもしれない。
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本当の自分はどれなのだろう?
それを心の底から楽しんでいるのだろうか。
人の目を気にして振る舞っていないだろうか。
時々、わからなくなる。
自分は誰かに求められているのだろうか。
心底必要とする誰かにまた出会えるだろうか。
時々、遠くを眺めたくなる。
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たぶん、完璧なものなどこの世に存在しない。
すべてが期待通りになることもない。
そんなこと、もう求めてもいないけれど。
でも、83%くらいの共感は欲しいよね。
寄り添って歩けるような身近な距離で。
薄暗い部屋でぼんやりとそんな事を考えている、
眠れなくなった、ある明け方。
17%くらいは、もの足りなくてもいいのかな。
そんなふうに感じた朝。