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風船みたいな私の彼は、ふわふわふわりと何処かに行ってしまう。

作者: 七瀬






私の彼は、“風船みたいにふわりふわりふわっと。”

気がつけば私の知らないところに行ってしまう。



彼が“浮気者”と一言で言ってしまえばそれまでだが...。

彼は必ず浮気しても、私の所に戻って来る。

彼は私以外の女性ひとを本気で好きにならない!

私と彼は、心で繋がっているのだ。

だから、私は彼の浮気を許している。



『ごめん、遅くなったね。』

『3ヶ月も続く女性ひとが凪斗にもいたのね?』

『まあね、今回はステキな女の子だったからかな。』

『私よりもステキな女性ひとだったの?』

『それは違うかな、梓沙よりステキな女性ひとに僕は

会った事がないよ。』

『あら? 久しぶりに会ったら、嬉しい事言ってくれるのね!』

『そんな事ないさ! 僕は梓沙以上の女性ひとに巡り合う事は

この先ないと思っているんだ!』

『私もよ、凪斗!』

『これからもよろしくね。』

『私こそ、よろしく。』





3ヶ月前に、彼はステキ女性ひとと出会ったらしい。

彼ははっきりと私にこう言った。



『ごめん梓沙、“気になる女の子がデキたみたいだ!”』

『また?』

『うん!』

『じゃあ、頑張ってみたら?』

『あぁ、ありがとう! そうしてみるよ。』





彼は私の許可をもらい、彼の気になる女の子に猛アタックをしたらしい。

それで無事に、その女の子と付き合えたのだろう。

付き合う前は、彼が彼女を好きだったらしいが...。

付き合いはじめると? 彼女の方が彼を好きになっていく。

彼は、“気ままな人間だ!” 風船のようにふわふわ直ぐに何処かに

飛んで行ってしまう。

彼女が彼の事を好きになると、彼は彼女の事を少しづつ冷めていった。

彼はそういう男だ!

自分が相手の女性ひとを好きな間は、夢中で追いかけ回すが。

相手が彼を追いかけるようになると? 気持ちが冷めてしまう。

そんな彼の性格を知っている私は、彼を飽きさせないコツを知っている。

だから私が、彼の浮気を許している理由のひとつなのかもしれない。

彼は普通の女性ひとを本気で好きになる事はない。

それも、私が彼の浮気を許せている理由だ!








 *





・・・数日後、また彼から私はこんな事を言われる。



『戻って来て直ぐに、こんな事梓沙に言うのは申し訳ないのだけど。』

『・・・うん、何?』

『“また、好きな女の子がデキたんだ!”』

『・・・もう少し、私と一緒に居てくれてもいいじゃない!』

『どうしたんだよ! そんな事、言う女じゃないよね?』

『・・・ごめん。』

『いいんだ! 僕も悪いと思っているよ。本当にごめんね。』

『・・・ううん。』

『じゃあ、また“戻って来るから。”』

『・・・ううん。』






・・・分かってはいるけど、なんだか寂しい。

“彼が必ず私の所に戻って来る”のは分かっている。

でも? 彼が私の傍に居ない事が寂しい。

彼はほとんど、私の傍には居ないのだ!

私の事を彼は裏切らないし、私以上に彼が好きになる女性ひと

いない事も分かっている。

だけど、【私の傍に居て!】




何度彼に、その言葉を言いたかったか...。

今もまた、彼は私の傍に居ない。

【早く、私の所に戻ってきて!】



最後までお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 梓沙ちゃんの愛が伝わってくる小説でした 短編なのでわかりませんが彼氏さんがなんで浮気をしているのか内容がわからなかったので教えてほしかったです
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