泣きっ面に蜂
私達のイールの奪還の知らせを聞いて,避難をしていた人が続々と人々が帰ってきた。
その中には家族や恋人,友人が無事で喜ぶものもいたが,そうではなかったものもいた。
涙を流している人を見ると,何というか申し訳なく思う。
私達は早速,グリードやルーボに付き従った兵士たちの取り調べを開始した。
首謀者二人を裁けたならば父上が戻ってくるまで待たなければいけなかったけど,私は貴族であるためこの人たちを裁くことが可能だ。
反乱に加わった兵士の中には命令だから仕方なく行動をしたものもいるだろう。
そんなことを思うと少しでも軽い罪にしてあげようと思ってしまう。
でもここで減刑にしようものなら他の兵士に示しがつかない。
それに...
「私の父親を返してよ!!!」
「なんで...兄貴が死ななきゃならなかったんだ!!」
「すべてお前のせいだ!!!」
首謀者の二人が消えたため,亡くなった兵士の家族たちの怒りが私に向かっていた。
正直,八歳の子供にと思ったけれど,彼らは彼らで家族を失った怒りをどこへぶつければいいのか分からないのだろう。
もし,私が反乱に加わった兵士の刑を軽くしようものなら,彼らは即座に暴れ出しかねない。
「なんて面倒な問題を残してくれたんだ」
死してなお,私は二人に苦しめられている状況だ。
本当にいい加減にしてほしい。
さらに言えば,屋敷の中に入ったときに驚きの事実が判明したのだ。
「クローノ様,金庫が空っぽです」
「金庫が空っぽ!!!」
グリードとルーボは大宴会をするためにアリストクラート家の資産をほぼほぼ使い切ってしまっていたのだ。
イールの街の復興や新たな兵士の登用などお金がたくさん必要なのに...
これらの問題に対処するのは父上になるのだろうけど,その庇護下にいる私達にも確実に影響してくるはずだ。
泣きっ面に蜂もいいところだよ。
それにしても,グリードとルーボは何が目的だったのか。
イールを運営していこうと思うなら,金庫の金を使いきるなんてありえないはずだ。
でも金庫を空っぽにするという行動をしたのだから,二人の目的はイールの占領ではなかったのかもしれない。
「現状ではあまりにヒントも少ないし,取り調べで何かわかると期待して待つしかないか」
私は取り調べを待つことにした。
さて,私の出来ることも今はあまりないから一休みしよう。
そう思い,私はベッドに横になり,目を閉じた。
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