してやられた
「え...!!?」
暗いため一瞬何が起こったのか分からなかったがルーボがグリードに切られたようだ。
ルーボ側の兵士たちも想定外だったのか驚いている。
「お前ら,仲間じゃなかったのか?」
私は問いかけた。
「えぇ,そうですね...」
グリードはルーボと協力関係だった。
「それなら何故!!」
「クローノ君,君が優秀だということは分かっていたつもりですが,まさかルーボ君と私の関係に気が付いていたとは。でも...」
「そんなことは聞いていない!!クローノ様の質問に答えろ!!」
私を守るように立っていたカバリーロが声を荒らげる。
「相変わらずせっかちですね,カバリーロ」
薄暗くてよく見えないがグリードは笑みを浮かべていた。
「それに私の油断でした。まさか君たちが夜に仕掛けてくるなんて予想外。この戦いは私の負けです」
「クローノ様のッ」
なおも続けようとしているグリードにカバリーロは止めに入ったが...
「カバリーロ,グリードの好きにさせればいい。まだ父上が帰ってくるまで時間があるのだから」
こんな事件を起こし,我々に負けた段階でグリードは処刑になる運命なのだ。
それでも,最高責任者である父上が戻ってくるまでは処分保留である。
「ふふふ。アドンが帰ってくる。ふふふふふ」
グリードは処刑だから笑うしかないのだろう。
ルーボから聞き出せない今,カバリーロから話を聞くしかないのだから。
「クローノ君,さようなら」
こちらの被害も多少覚悟して,彼らをさっさと拘束をするべきだったのだろう。
負けを察した時点でグリードはこれを狙っていたんだと思う。
結果として私達は領都イールの占領事件における首謀者を二人とも失うという最悪な事態となってしまった。
そして,二度と彼らから話を聞き出すことはできないという事実が重くのしかかる。
とにかくこれ以上,事態を悪化させないために...
「ここにいる残りの兵士たちを捕えよ」
そう指示を出した。
こうして私たちはイールの奪還には成功したのだった。
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