最後の会話
「なんだ今のは!!」
「何が起こった!!」
一瞬,周りが明るくなルーボとグリードは驚いていた。
この世界,灯りと言ったら松明や蝋燭だから驚くのも無理はないよね。
あの発光の正体はマグネシウムの燃焼だ。
マグネシウムに火をつけるとハゲしく光る。
地球では写真を撮るときのフラッシュとして使われていたりしたものである。
マグネシウムは地球にある元素の中で八番目に多く,こちらの世界でも原料のドロマイトという鉱石はすぐに見つかった。
それにしても...
「もう終わったのか...」
あの発光は私たちの合図である。
牢屋にとらわれた兵士たちを解放したときに光らせると決めていたものである。
体験したことがない明るさにルーボとグリードはまだ驚いていた。
しかし,私の冷静な姿を見て少し落ち着きを取り戻したようだ。
「今のは...何をした,クローノ!!」
グリードは私を睨む。
しかし,私は...
「ふふ...」
「何を笑っているんだ!!」
グリードはこちらを意識しすぎてルーボを放してしまっていることに気が付いていない。
せっかくの人質なのに...
「るーぼあにうえ,いますぐそこをはなれるんだ」
私はわざとそう言った。
ルーボはすぐさまグリードに捕まった。
「もういいよ。もうやめなよ」
もう知らない振りをする意味がなくなった。
二人をここに引き付けておく必要がなくなった。
「私は知っている。君たちがグルだってことも,そして毎夜毎夜と宴会を続けていることも」
「何を言っている...」
「あの発光は牢屋から兵士を解放した合図ですよ」
「......」
「宴会酔っぱらっちゃって誰も戦えなかったんですか。予想以上に合図が早くて驚いちゃいました」
煽り全開でグリードに話しかけていると,痺れを切らしたルーボが叫んだ。
「兵士たち出てこーい!!」
隠す気が無くなったようだ。
ルーボは堂々と兵士を呼んだ。
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もちろんグリードたちの兵士は誰も出てこない。
逆に屋敷の奥からパスのポッチャリ兵士ズレルが現れた。
「クローノ様,屋敷内は全員拘束したっす!!」
「ということだ。あとはそこにいるルーボ兄上たちだけですよ」
「なっ!?」
その瞬間は唐突だった。
それは誰も予想していなかった結末だろう。
先程のやり取りが私とルーボの最後の会話となった。
「グ...グリー...ド...」
ドサッ...
ルーボは倒れた。
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