何も言えなかった
なんとか沼を抜けた私はカバリーロにイールの街の状況について説明した。
「ということは監禁されている人を何とかするのが最優先ですね。それにしてもルーボ様がグリードと繋がっているとは...」
カバリーロは戸惑った顔を見せてそう言った。
ルーボを処刑するっていう理由でグリードに呼び出されたのに,そのグリードとルーボが繋がっているって言われたら誰だってこうなるよね。
「クローノ様,その話は確かなんですね」
「あぁ,確かに私を捕まえたら兄上から褒美がもらえるって兵士たちが言っていたんだ」
少し無言の時間が流れる。
カバリーロはまだ納得してなさそうだ。
「それにグリードが隠し通路を知っていたっていうのだって,ルーボとつながっているんなら知っていても何もおかしくないし」
「ルーボ様が繋がっている...」
カバリーロは混乱しているようだ。
自分が兵士長として守ってきた一族の一人がこんなことを仕出かしたと知ったら,こうもなるか。
顔がぐにゅうと曲がっているように見える。
「カバリーロ...」
とりあえずこれ以上の死人を出さないようにと言いだそうとした。
でも私は何も言えなかった。
あのカバリーロが泣いていたから。
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