手を組んでいる
ホッとしたら体の力が抜けた。
私は横になった。
「尾行なんて慣れない真似をするもんじゃないね」
今回は兵士の二人が本気で探してこなかったことが幸いして捕まらなかったけど,危うく詰みだった。
そして,私はルーボに捕まることとなっていたようだ。
「ルーボはグリードと手を組んでいる」
いろいろ不思議なことがあったが,点と点が線になった気がする。
なぜグリードが攻めてきたとき,ルーボはイールの外で戦おうとしたのか。
なぜグリードが隠し通路のことを知っていたのか。
そして,なぜ父上が帰ってこないのか。
これらの疑問はルーボとグリードが手を組んだと考えれば全て説明がつく。
グリードに勝たせるためにイールの外で戦ったのだろうし,隠し通路は教えていたのだろう。
その上,ルーボが連絡を取っているはずだから,父上が急いで戻ってくることも無いということなのだろう。
でも唯一にして最大の疑問が残る。
「ルーボがグリードと手を組む必要性が無くない...」
ルーボには何のメリットも無いのだ。
性格は悪いけど,頭は悪くない,それがルーボだ。
グリードに何かを唆されたからと言って,こんなことをするはずがない。
こんなことを仕出かしたと父上に知られたら,時期領主の座を失ってしまう可能性が高いことをルーボも重々承知だろう。
それなのに何故?
私は立ち上がった。
階段を降りて,建物の外に誰もいないことを確認してから外に出た。
「考えても分からないことは後回しにしよう」
私は今後のことを考える。
もともと屋敷に行き,牢屋に何とか入って,ルーボやその他兵士を解放しようと思っていたのだ。
その後,グリードに会いに行き解放した兵士たちを突入させ,グリードを捕えるという計画だったのだ。
でもルーボがグリードの仲間だと分かった今,この作戦をそのまま実行させるわけにはいかない。
想定外も想定外の事態に突入しているため,どうしようかと悩む。
そもそもルーボが処刑されるから私は屋敷を目指していたのだ。
その前提条件が崩れた今,屋敷に突入する意味が無いと感じる。
唯一の懸念は捕らえられている兵士たちだ。
トルペのいうことが正しければ,家族を人質に取られ強制労働させられている人がいる。
私が行かなければ,その人たちの処刑があり得るかもしれない。
本当にどうしよう...
よろしければ「ブックマーク」や広告の下にある「評価☆☆☆☆☆」を押していただけると幸いです。
また,感想等もお待ちしております。感想を頂けると大変うれしいです。
皆様,お読みいただきありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




