選択肢
アンジュをカマリエラに任せて私は再び面会部屋へ戻った。
どうやら私が倒れていた時間は三時間ほどだったようだ。
五日も寝ていて,選択肢が一つ減っている状態にならなくて良かった良かった。
「クローノ様,もう少し休んでいてください」
カバリーロがそう言う。
私を気遣っているのか,私に聞かれたくない話をするのか...
「私は今,三つの選択肢を迫られている。私一人でイールに行く。みんなでイールに行く。そして,イールに行かない」
「クローノ様は領都に行きません。それで決まりです」
元部下たちを殺されたカバリーロは冷静さを失っていると思う。
こんなに荒らぶるカバリーロを生まれてこの方見たことが無い。
そんな荒ぶるカバリーロを見て私はふと疑問を覚えた。
「なんで選択肢の中から選ぼうとしているの」
人は選択肢を目の前にすると,その中に必ず正解があると考えてしまう。
テストならまだしも,間違えたらほぼ間違いなく死であるこの状況でグリードから与えられた選択肢に思考を狭められてしまった。
そんなの正気じゃない。
どうやら冷静さを失っていたのは私も同じようだ。
「選択肢を与えてきたということはそれに対する対応が出来るってことだよね」
私が一人で赴いたら拘束。
私が誰かを連れて行った時点で,ルーボが処刑され,パスを攻められる。
私が行かなくてもルーボが処刑され,パスを攻められる。
ルーボは嫌な奴だが家族だ。
それにルーボ処刑後,兵士たちも殺されるという可能性がある。
どれもこれも避けなければならない。
だからこそ新しい選択肢をこちらが創り出すしかないのだ。
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