体がなまる
私もついに五歳となりました。
ここ最近は子供らしく遊びを極めてます。
でも,遊びの種類を増やそうにもゲームがないってのはいけないよね。
そもそも今の王国には電気がないので,ゲームがあるわけないのだけれども。
ゲームだけじゃなく,夜の真っ暗も解消したいし,誰か電気を作ってくれないかなぁ。
家ってそれなりの貴族だから誰かが電気を作れば,すぐ取り入れると思うんだよね。
最悪,自分で作ろうかなぁ。
「電気ってどうやって作るんだったっけ?」
ゲーム目的で電気を作ろうと思うのもバカバカしいけど電気は偉大だ。
確か,磁石とコイルを動かして作ったなという,前世の朧げな記憶がある。
なんだっけ?
電磁誘導とかって名前がついてた気がするけど。
まぁ,電気の作り方も一応,メモに残しておいてっと...
家の中での遊びだけだと体がなまる。
将来は平民なので,それなりに動ける方が良い。
「カマリエラ,縄をちょうだい」
「クローノ様,何に使うんですか」
「ちょっと体を動かそうと思って...」
私は縄跳びをしようと思い,カマリエラに縄を貰った。
最近,日本の遊び道具をぽんぽん作っているので,カマリエラには変な目で見られているけれども...
まぁ,私の乳母だったし,今はお世話係だから,カマリエラを完全にごまかすのは厳しいから仕方ない。
貰った縄をちょうどいい木の棒に括り付けて,縄跳びを開始する。
ぴゅんぴゅんぴゅんと飛んでいると,アンジュがやってきた。
「クロ君,何やってるの?」
「素振りとかランニングだけだとつまらないから,縄を飛んでみようと思ってね」
ぴゅんぴゅんぴゅん
「私もやりたい」
縄跳びを続けているとアンジュもやりたいと言い出した。
まぁ,そうなるだろうと思って,一セット余分に作ってある。
「はい,これアンジュの」
「わーい!!」
二人でぴゅんぴゅんぴゅんと飛んでいると...
「クロ,何をやっているんだい?」
レギオ兄さんにも声を掛けられた。
「縄を飛んでるんだよ,兄さん」
「へぇ,おもしろそうだね。僕もやりたいな」
「え?素振りをしに来たんじゃないの?」
素振りをしに来たレギオ兄さんが縄跳びに興味を持つのは予想外だったので,自分とアンジュの二セットしか作ってない。
あと,五歳の私たちと十一歳の兄さんでは体格が違うので紐の長さを変えなければならない。
現代日本の縄跳びのように紐の長さを調節する機能はもちろんついてないので,私のをそのまま貸すわけにもいかない。
そのため,私はもう一セット作ったのだった。
「うん,これはいいね。これからトレーニングに取り入れよう」
トレーニングじゃなくて遊び用につくったんだけどなぁ...
まぁ,兄さんが喜んでるならいいや。
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