グリードがイールに攻め込んできた
父が旅立ったと聞いてから二週間ほどがたった頃,伝令がやってきた。
もう伝令さん来ないで欲しいよ。
この人が来るといいことが無いんだもん。
「ポルトからグリードがイールに攻め込んできまして...」
「グリードがイールに攻め込んできた!!」
王国中のゴタゴタが増えてきたけど,アリストクラート領でもついに起こってしまったか。
あんまりこういうこと無いと嬉しいんだけど,これからは戦いとかも身近になっちゃうのかなぁ。
「それに対して打って出たルーボ様ですが,敗走してイールの北にある街カンメッロへ逃げられました」
「はっ?敗走?」
なんか聞いちゃいけない言葉を聞いたんだけど。
伝令さん何言ってんの。
「はい,敗走です」
オイ...言い切ったぞ。
言い切らないで欲しかった。
「なんでイールの戦力がありながらグリードに負けるんだよ」
「言いにくいのですが...」
何...もう何も聞きたくないんだけど。
領都だから一番戦力あるじゃん。
父上の護衛だってそんなに多くは連れ出してないじゃん。
イールに兵士って千人近くいたよね。
伝令兵とか役割分担あるけど,ポルトの戦力にどうやったら負けるんだよ。
「その代官となったルーボ様が暴走してしまい...兵士から裏切り者が出てしまいました」
...暴走って何やってんだよ。
いや,たった二週間で本当に何やってんの。
「アドン様とレギオ様は共にダロム家へ行かれているので,イールは完全に占拠されてしまっています」
「ちなみに父上には伝えに行った人はいるのかい」
「伝令は裏切りに加担しなかったので向かっていると思われます」
そうか父上には伝わるのか。
でも伝令が追いつくまでに数週間かかるし,そこから父上が戻るまで数週間かかるから,戻ってくるのに一ヶ月くらいはかかるよな。
私にはできることも少ないし,というかパスはイールの援助があるから成り立っているのに...
「どうすればいいんだよ」
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