お米
南国とまでは言わないですけど,暖かいこの地域。
生まれてから一度も雪を見たことがないんだよね。
領都イールから見える北の山脈が白くなっていることもなかったと思う。
そんなアリストクラート領で主食として食べられているのがお米で,元日本人としてはありがたかったんだよね。
ちょっとタイ米に似て粘り気が少ない感じだけど,お米はお米だからね。
それでも,粘り気が欲しい気がするし,いつかは品種改良して粘り気の強いお米も作りたいと思う。
パスの街は農業と漁業という二大産業が順調で平和である。
街づくりと同時並行で船づくりを依頼したり,畑を開墾してもらったりしていたのが,本当に良く効いていると思う。
この二大産業が安定しだしたら,来年はいよいよ工業にも取り組みたいなぁ。
「電気を作りたい」
この思いが年々大きくなっているんだよね。
前世で散々電気の便利さを知ってしまったので,もう耐えられない。
いや,今までは遊んで寝てを繰り返していたから耐えられることが出来たけれど,これから本格的に街の運営をしていかなければならないので...
それにしたってもうすぐ八歳の子供が街の運営ってアタオカだよなぁ。
そもそも,成人したとは言え,十五歳で軍の副団長やっているレギオ兄さんのですら,日本人の感覚だとアタオカな気がするんだよね。
まぁ,子供を働かせるってこの世界じゃ普通だからしょうがない気もするんだけど...
でも,将来の領主,ルーボが十八歳なのに,のほほんと暮らしているのは全然納得がいかない。
それでいて,働いて役職を貰っている私たち弟のことを恨んでいるっていうんだからどうしようもない。
アリストクラート領はルーボで終わるんじゃないかとすら思ってしまう。
出来るだけ父上には長生きしてもらって,貯金をしておいてもらいたいものだよ。
そうすれば,ルーボがトップの期間を短くできるし,そのほうがアリストクラート領が長続きする可能性が高そうだからね。
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