釣り対決
ズレルから釣り道具を貰った(奪った)ので,私たちは釣りをしに海へと向かうこととなった。
今日は天気も良く,また,体を動かしたいということもあって,私たちはテクテクと歩いて港へ向かっているんだ。
まぁ,まだ道を整備できてないから,「馬車が嫌だ」というのもあるんだけどね。
それはともかくズレルは隠れてお魚を食べていたので,訓練量を増やされるそうだ。
「なんだか,ズレルには悪いことをしちゃったなぁ。私達が釣りをしたいと言い出さなければ,バレなかったんだから」
「それは違いますよ,クローノ様。もし今日バレなかったとしても,訓練しているのに太っているのはおかしいですから,いつかはバレてましたよ」
カマリエラは否定してくれるけど...
「でも奪うようなもんだったしなぁ...」
「強奪ではありません。有効活用です。クローノ様が使わなければ,ただ捨てられるだけの道具ですからね」
まぁ,ちゃんとした道具で釣りができるようになるのでいいとしておきますか。
とりあえず感謝だけしておこうと思い,「ありがとうズレル」と心の中で呟いておいた。
それはさておき,私たちは釣り道具を手に入れ,作り上げた防波堤の上にたどり着いた。
ここから負けられない戦いが始まる。
「どっちが多く釣れるか勝負だよ,アンジュ」
「負けないよ,クロ君」
そう言って,アンジュとの釣り対決が開始された。
三十分後...
「わーい,また釣れた!!!」
アンジュが大漁となったよ。
え,私?
私のことは放っておいて欲しいな。
少ししか離れてないのに何でこんなに違いが出るんだよ。
「あっ!!また釣れた!!」
もう心が折れそうだからやめてくれ。
負けられない戦いとは何だったんだろう。
「こうなったら,今日一番の大物を釣り上げるしかない」
今まで防波堤の内側へ投げ入れていたのだけど,私は外側へ投げ入れた。
しかし,その後も全然ヒットせず,時が過ぎていった。
「クローノ様,そろそろ日も落ちますし,終わりにしませんか」
「もうちょっとだけ」
全然,釣れず日が落ち始めた。
この世界,電気がないのでもう終わらなければいけないのは分かっているけど,ボウズは悔しすぎるだろ。
「クロ君,明日もやればいいから帰ろ」
「う...うん」
アンジュに言われて,さすがに帰るかと思って,竿を引き上げようとしたら...
「ん...?」
竿が上がらなかった。
もしかして,何か釣れてるのかな。
「なんか係ってるよ」
今日初めてのあたりが来たので,私は思いっきり竿を引き上げる。
そして釣れたのは...
「なんですか...これ」
「クロ君,すごーい」
カマリエラとアンジュの反応は対称的だった。
だって...
「こういうときって普通いい感じの魚が釣れるもんなんじゃないの...」
釣れたのがタコだったから。
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