侯爵家
生まれてから,かれこれ七年ほど経ちましたが,一向に王国は倒れていない。
常々,王国は不安定不安定と言い続けてきたけれど,王国という状態を保ったまま,とうとうここまで来てしまったようだ。
なんというか,王国で利権を持っている人が倒国を引き延ばし引き延ばししているそうで,その他にも,戦争をするにもお金がかかるし,人もいっぱい死ぬし,王国がこのままが存在していてほしいという人が意外にも多いそうだ。
そのような人々の中にはもちろん,家みたいなに王国でも大きい方の貴族家の人も含まれていて,そんな家はかなりの力があるので,王家の力が弱くなろうと王国は意外と倒れないというカラクリだそうだ。
「うーん,王国が無くなると戦争だからなぁ...小さい貴族も今のままでいられなくなるし,このままが良いって人は意外と多いんだなぁ」
そんなことを考えていると,ドタドタドタと伝令兵が走ってきました。
なんか嫌な予感がする...
「クローノ様,領都イールから伝令です。王都北の侯爵家シャマールが小貴族に攻められ落とされました。クローノ様におかれましては,パスの街の守りをもう一度確認しておくようにとのことです」
伝令兵の持ってきた書類にサインをして,仮拠点の中に案内させた。
伝令兵はパスの工事の進捗も確認していくそうで,お泊まりだってさ。
さて,私が生まれる以前から王国は不安定らしいので,かれこれ十年以上は現体制で続いていたはずだけど,とうとう事態が動き始めてしまったと。
まぁ,いつか貴族の潰し合いも来るのかなと思っていたけれど,こんな急に来るとは思ってなかったので驚きがある。
それにしても,侯爵家が一番最初に潰されるというのは,意外感が拭えない。
というのも,侯爵家は,東西南北に四つある,王国でも一番大きな貴族家だから,驚愕すぎるんだよね。
家も大きい貴族家ですけど,さらに大きい侯爵家が潰されてるんで,不安感が物凄いなぁ。
「最初の標的が家じゃなくてよかった...」
マジでよかった。
だけど,これから大陸の北の方は荒れて,その騒動が広まっていくのかもしれないと思うと...
まぁ,家は大陸の南の方にあるのでこの事態が伝染してくるには相当時間がかかると思う。
だってこの世界,スマホも電話もありませんから。
はぁ,これからパスをどんどん開発していこうという時期なので,家は周りの小貴族たちに荒されないように注意して欲しいよ。
あの侯爵家ですら潰されたんだから,注意しすぎるということは無いはずだよね。
まぁ,家には父上とその優秀な家臣がいるんだから,大丈夫なはずだと思う。
このご時世で家のトップがルーボだったら終わってた気がするけど。
父上が健在で良かった良かった。
こうして一抹の不安を抱えながらも,クローノ・アリストクラート七歳の春,とうとう戦乱の世が幕を開けた。
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