新しい街の名前
着きました。
家が数軒建っている簡易的な村に。
高台のここを仮拠点にしつつ,街づくりを進めていくことになるそうだ。
「いつまでも新しい街と呼び続けるのは面倒なので,街の名前を決めてください」と皆に言われてしまった。
新しい街の名前は領主である父上が決めるんじゃないのって思ったけど,開拓する人が付けるのが一般的らしい。
「全然,決まらない」
前世で子供がいたわけでもないし,名付けなんてしたことが無い。
しかも,街の名前って後世にも残るものだから,慎重になってしまう。
そんな感じで悩んでいたら,今回も護衛で来てくれたカバリーロが笑いながらアドバイスをくれた。
「クローノ様,この街の名前がなかなか決まらないんだって。ならクローノ様の名前から取ってクロールとかどうですか」
見事なオヤジギャグである。
カマリエラが呆れ返り,アンジュは冷たく「パパ,ありえない」と言っていた。
自分の名前から取るか。
もう決まらなそうだし,「それでいいか」なんて思っていると,「真面目につけてあげて」と言わんばかりの冷たい目が,アンジュとカマリエラから飛んできた。
「カマリエラはなんかない?」
「私に聞かれましても」
あんなに冷たい目で見てきたのに無いのかよ。
あっ,聞き方を変えよう。
「アンジュを名付けた時ってどうやって決めたの?」
「アンジュは...」
「アンジュは天使みたいに可愛く育ってほしいという願いを込めて付けたんだよ」
カマリエラに聞いたのにカバリーロが答えてきた。
まぁ,どっちに聞いてもいいんだけど。
「二人ともカから始まる名前なのに,カから始まる名前を付けなかったんだね」
親父ギャグはともかく,子供の名前に親の名前を入れるのは一般的だと思ったんだけど...
「そういえば,この人,アンジュにも自分の名前から取って,カバーとか付けようとしたから止めたんですよ」
「パパ,ありえない」
娘にそう言われた,カバリーロは大変落ち込んでいた。
よくやったよ,カマリエラは。
私だって幼馴染の名前が親父ギャグだと可哀そうに思っちゃうからね。
それにしても,カバリーロはどんだけ親父ギャグが好きなんだよ。
それはともかく願いを込めてか...
これから王国は無くなって大戦国時代になるし,この新しい街が平和であればいいなとは思うので,平和...ピース...パーチェ...パークス...パス...
そうだ,パスにしよう。
こうして新しい街の名前は決まった。
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