半年ぶりの帰省
私は何を信じればいいのだろうか?
確かにグリードには疑問があった。
というのも,税の計算という課題をやるときに見たポルト周辺の収穫等の報告書と街づくりの課題のときに調べた実情がかなり違ったのである。
今年は特別に収穫量が多かったのかなとも思ったけれど,「ん?毎年,これくらいは取れてるぜ」という漁師のおっちゃんの言葉を不思議に思ったものだ。
それも全て,グリードが乗っ取りのために誤魔化していると考えれば納得がいく。
誤魔化した税金を蓄えているのだろう。
あの場から逃げてきてしまったけれど,もっと話を盗み聞きすべきだったかなと後悔した。
にしても,子供でも気が付くような不正なのに,なぜバレないのか分からない。
グリードがポルトの文官を全て掌握しているからなのかな?
最後の最後でとても驚くことになったが,パーティーは無事終わり,次の日,イールへ旅立つこととなった。
グリードがイールへの道中で何か仕掛けてくるのではないかと不安に思ったが,私たちは何事もなく無事イールへたどり着いた。
まぁ,道路がガタガタなので気持ち悪くはなったんだけどね。
それはともかく半年ぶりの帰省である。
私をポルトへ行かせたルーボ兄さんはいないが,出迎えにはレギオ兄さんをはじめとするいろんな人がきてくれた。
一日休んだ後,父であるアドンのもとへ行くこととなった。
「父上,クローノです」
「おぉ,クローノ。久しぶりだ。それにしても黒くなったなぁ」
父上は日焼けした肌に驚いた模様だ。
「クローノ,お前には街づくりをしてもらう。まぁ,街づくりの専門家は付けるが,いずれはその街のトップをお前に任せようと考えている。しっかりやってくれ」
「はい,わかりました。父上」
そんな会話があり,面談は終わった。
グリードのことを伝えるべきか悩んだが,ここでグリードの不正が露見すれば,私が原因であることが明らかである。
そうなればグリードは真っ先に私を狙うだろうと思い,伝えるのをやめた。
この判断が間違っていないと信じたい。
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