赤ちゃん時代
転生してから三カ月が経った。
食事はもちろん母乳のため,少し恥ずかしかった。
だが,下の世話をされる方がもっと恥ずかしかった。
確か前世のときは赤ちゃんの頃の記憶はなかったはず。
そのため,ここら辺の体験もいつか忘れていくのではないかと思う。
そういえば,今ある前世の記憶は消えていくのだろうか?
前世の日本の記憶があるというのは強みになるはずである。
「あーう(できるだけ忘れたくないなぁ)」
そういえば,こちらの言葉が少し分かるようになってきた。
というのも,金髪の女性がいろいろなものを見せてくれて,その中に絵本があったのだ。
今さら,ガラガラとか人形を渡されたところで嬉しくないのだが,絵本は違った。
この世界のことを少しでも知りたいので,絵本を読んでもらうと自然と笑顔が出たのだ。
それから絵本ばかり見せてきたこともあり,こちらの言葉が少し分かるようになってきたのだ。
そうそう,言葉が分かるようになってこの世界と自分の状況についても少し分かるようになった。
どうやらここは地球ではないらしい。
地図を見たが一つの大陸があって,そこにでっかい王国があるということが分かった。
具体的なことはあまり知れなかったので早く知りたいものだ。
あと私の名前はクローノ・アリストクラートといい,貴族の三男らしい。
貴族としてのほほんと過ごしたいが,貴族は殺伐としているともいうし,不安だ。
あと大事なことがあった。
金髪の美しい女性は私の母ではなく,乳母であるということだ。
私の母親がいるのを確認したのはもちろん,美しい女性にとても似ているかわいい赤ちゃんと過ごす日が何日かあったのだ。
そんなこんなで情報を集めつつ,赤ちゃん時代を過ごしていった。
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