海の水
「海だー!!!」
「クロ君,どうしたの!!」
私が普段から大声を出すタイプじゃないから,アンジュはとても驚いている。
でも海に来ると何故か叫びたくなる。
なんでなんだろう?
まぁ,どうでもいいや。
私達が来たのはアリストクラート家所有のプライベートビーチだ。
コテージと真っ白な砂浜がある。
「海に入りたい。クロ君,行こ」
コテージで水着に着替え終わって早速,私の手を引っ張ってアンジュが海にダッシュしようとしたが...
「アンジュ,待ちなさい」
アンジュの母親であるカマリエラが呼び止めた。
「日焼けしちゃうから日焼け止めをしないと。あと準備運動もね」
前世で日焼け止めを塗らずに海に行ったときは火傷でヒリヒリしてしばらくは悲惨だったからなぁ。
カマリエラのおかげで私たちの肌は守られたって思ったんだけど,こっちの日焼け止めってちゃんと効くのかななんて思ってみたり...
たしか酸化亜鉛とか使って紫外線をブロックするって聞いたことあるけど,こっちで製造してるのかなぁ。
まぁ,日本のものでも焼けるときは焼けるし,無いよりマシか。
カマリエラに日焼け止めを塗ってもらったあと,準備運動をして,いよいよ海に入ることにした。
カバリーロを中心とした護衛の面々に囲まれたなか,まずは足だけ入ってみる。
「...」
「わぁ!!」
これが海に入ったことのある人と海に入ったことのない人の差か。
無感動で入ってしまったななんて思っていると...
「クローノ様,海の水は栄養があって飲むと美味しいですよ」
カバリーロが仕掛けてきた。
いつもはそんなことする人じゃないのにどうしたんだろう。
それにしても「ここはどうするのが正解かな?」なんて考えていると...
「そうなの!!私飲んでみる」
「「あっ!!アンジュ!!」」
カバリーロと私が同時に止めようと思ったが,アンジュは海の水を飲んでしまった。
「しょ...しょっぱい!!!!」
カバリーロの方を見るとオロオロしていた。
どうすんだよ,これ...
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