馬車と道
なんということでしょう。
凸凹している道。
衝撃を和らげない馬車。
硬い椅子。
馬車に乗り始めてまだ一日目ですが,思いっきり酔いました。
唯一の救いはクッションですが,雀の涙もいいところ。
領都イールの中は石畳だったので,まだよかったものの,外は...
「気持ち悪い」
「クローノ様,大丈夫ですか?もう少しで休憩場所なので頑張ってください」
カマリエラに背中をさすってもらいながら,なんとか休憩場所までたどり着くことに成功しました。
今まで,領都どころか屋敷からも出たことが無かったのでこんな経験をしてこなかったのですが,馬車の改良と道の整備は必ずしようと決意しました。
「領内でもポルトとイールは二大都市だよね。なんでその間の道がこんなにも荒れてるんだよ...」
二大都市がこんなとか,ありえないよね。
他の町への道とか終わってそうだよ。
そんな風に愚痴をこぼしていると,カバリーロがやってきた。
「クローノ様,この道は結構整備されている方ですぞ」
「ヴぉ!!」
変な声が出てしまった。
まさかこんなガタガタの道が整備されている方だとは思わないじゃん。
完全に終わってるよね。
「今まで屋敷から出たことのなかったクローノ様には辛いかもしれませんが,今日の夕刻には着きますから」
カバリーロはそう励ましてくるが,あと数時間も馬車に乗り続けないといけないかと思うと本当に嫌になってくる。
なんでこの世界に馬車と道をより良くしようって思う人がいなかったのかなぁ。
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