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思い出はいつも傍に。

マクルス寄りのたまに第三者視点です。


「申し訳ござっ、ございませぬ!!!めめめめのまっ、目の前でマナ様がぬっ盗まれてしまいましたあぁぁぁあああごめんなさいいぃぃぃぃ!!!!!」

「アンタのマナじゃないわよ!!」

「うんうん。パーシーはせめてかどわかされたって言おうか」

「誘拐なんて!私が犯人絞め殺したるわ!!!」

「カノンさんも落ち着いて!」



相手は王族!

キリアス様だから!!



そう言って、今にも殴り込みに行きそうなカノンをマクルスは必死で宥めていた。








パーシーからマナがキリアスとともに出ていったと知ったのは、帰ってすぐの事だった。

強盗(があること自体が珍しいが)犯人と一緒に居たことで仲間だと疑われたらしい。



いやマナってば何してんだろーね?



マクルスがそう思いながらも先を促せば、どうやら店内の人たちを安全に逃がすための作戦だったようで。

まぁ理由は、納得したくないけど出来ない訳じゃないレベルで分かったわけだが。


逆にマナは女の子なんだから気をつけてよねと思ったけれど、そういえばマナに興味を持ったのは腕を刃物で刺されながらも主人を守るという衝撃的な場面を見せつけられたからだと思い出した。


また無茶やって、カノンに怒られても知らないぞ。

と呑気な感想を持って話は終了した。


……わけだが。



次の日の放課後。

珍しく学園を休んだカノンが心配になりフェリシア邸へ行ってみれば。


鬼の形相で、マナが帰って来なかったんだけど!と詰めよってきたカノンによって、怒りのお出迎えをされた。



今ココ。




「……え?なんて言ったの?」

「だから!!マナが帰って来ないのよ!!変わりにこんな手紙が届いたんだけどね!!!」



バシンッ!



いった!

紙でも痛いんだから投げないで!



とは怒れる女性には言うまい。

火に油は注いじゃアカン。



顔面にぶつかった紙……手紙?に焦点を合わせると、これは何故かキリアス第二王子からフェリシア伯爵、つまりカノンの父宛てだった。


こんな大層な物、読んで良いのか……?

そう思ってチラッとカノンを見ると、彼女の怒り顔が悪化した。


いや読みます読みます!

だからそんなおっかない顔しないでくれ!!



折角の美人が台無しだよ?

と心の中で呟いてから読み進める。



…………こういうのって、王族貴族の風習らしくごちゃごちゃ遠回しに長ったらしく書いてあるかと思ったら、存外シンプルなのな。



マクルスはそう、現実逃避した。




「アンタんとこの執事と出掛けてから戻って来ない上『マナ・ヒスタリアを結婚を前提に無期限で預かる』ですって!?バカにしてんじゃないわよ!!」

「ちょっ、落ち着いてカノンさん!伯爵は何て返事したのか知ってるの?」

「そんなの、あの人のことだからどうせ二つ返事でOKしたに決まってるわ!」

「え、なんで?伯爵が雇用主とはいえ、カノンさんの侍女なんでしょ?」

「…………父は、マナを私から遠ざけたいのよ」



え、なんで?



再び同じ疑問は声にならなかった。


それは聞くな、と。

カノンの表情が、如実に物語っていた。



「――カノ」

「そんなことより!この現状をどう落とし前つけてくれるわけ!?」

「申し訳ござっ、ございませぬ!!!」



カノンのあまりの剣幕に、真っ青な顔して平謝りするパーシー。



マクルスは必死でカノンを宥めながら、なぜカノンがここまでマナに執着しているのか疑問に思っていた。

いくら身を呈して守ってくれた恩人とはいえ、あまりにも度が過ぎていないかと。



まさかのまさかではあるが、第二王子に見初められたのだ。

本来なら光栄、名誉なことなのだのだと。





――――マクルスは知らない。





マナのこの5年間を。






否。






10年ほど前からの、確かにある二人の絆を。







ガタン。








フェリシア邸の門が、開いた。






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