隔離された空間で
ハロー、皆さまこんにちは。
こちらマナ・ヒスタリアでございます。
突然ですが、俺が今いる場所が分かりますか?
正解は。
「なんっでキリアスの部屋にいんの俺!?」
「おや、不服かな?」
「不服もクソも、意味不明だろコラァ!!」
見渡す限りゴージャスなベッドやら装飾品やら。
隣にて優雅に座っているのは、キリアス・エクシード第二王子。
そう、ここは。
キリアスの自室だった。
いやマジで何故??
えーと。
まずは話を整理しよう。
パーシーとお出かけした先のカフェに強盗が来たから助けを求めるために仲間になったふりして時間稼ぎしてたら、来たのがキリアスだった。
そして自室に連れ込まれた。
…………?
いや整理しても分かんねぇな?
最悪強盗犯の仲間認定されて牢屋行きかと思ってたんだが、何で国で一番偉い人の息子の部屋に来てんだ俺?
あれかな、拷問はキリアスの部屋でヤるんだよ⭐ってヤツかな。
……流石にそんなわけないか。
いかん、頭が働かん。
「えーと、俺別にアイツの仲間じゃねぇんだけど。だから拷問しないでくれ」
「悪者って皆そう言うセオリーがあるみたいですね?けれど、貴方と強盗犯が一緒にいたと証言される方々がいますよ」
「うっ……」
確かにそう仕向けた節がある。
けどさー……あ、パーシー!
パーシーどうなった!?
「あ、あのさ!パーシーどうなった!?俺の主人の婚約者の執事なんだけど!」
「おや、拷問される事よりも他人の心配ですか?」
「俺と一緒に来店したからな。俺はともかく、パーシーまで捕まってたら大変だ。アイツはマジで無実だからよ」
「……そうですか」
俺がそう言うと、キリアスはハァとため息をついた。
なんだよ、一緒にいたヤツ心配しちゃおかしいってのか?
あぁん?
「なんだよ、文句あんなら言えよ」
「いや、失敬。冗談が過ぎましたね。パーシーさんとやらは捕まえていませんよ。そもそも、貴方の無実も知っています」
「え、マジで!?」
「はい。その上でこうして来て頂いたのは、貴方にしていただきたい事があるからです」
「してほしい事?」
って何だ?
疑いがはれてるのは嬉しいが、理由が分からないから正直悶々とするが。
まぁそれはおいとくとして。
キリアス直々に、俺に頼みごと?
初対面で喧嘩吹っ掛けられたの以外関わり無い俺に?
なんやねん??
「それにしても、相変わらず口の悪い人ですね」
「うっせー、悪かったな。つっても俺が口悪くたって、オメーにゃ迷惑かけてねぇだろ」
「迷惑を被ることになるから言っているんですよ」
「はぁ?なしてよ」
「第二王子の夫人となる人物が、そんなに口が悪いままでは国民に示しがつかないでしょう?」
「そりゃー口が悪いヤツぁ夫人にゃ…………はぁぁぁぁ!!!??」
ナンノハナシ!!?
キリアスが煩そうに耳抑えてっけど、んなこと知るか!
俺が夫人?
キリアスの嫁ぇ!?
マジで何でそんな話になったん!!?
――――いや。
冷静になれ、俺。
無いだろ。
明らか嫌われてたじゃん俺。
…………
あ、ドッキリ?
んだよー、騙されたわー。
この世界に来て一番驚いたわー、ハハハー。
そう言われればそうだよな。
俺はこの世界での色恋沙汰にゃー無関係な訳だし、そもそもコイツはカノンの候補者。
口悪いっつーのもカノンだな?
いつ出会ったかは知らねぇが、初期のカノンは俺並みに口悪かったもんな!
じゃあアレか。
カノンを今以上にレディにしろって話だな!?
「分かった、やってやるよ!」
「おや、思いの外理解が早いですね。では、まず言葉遣いや礼儀作法から学んでいきましょうか」
「そこら辺は俺が先生やってっから大丈夫だぞ。必要なのは経済学とか帝王学とか、俺が教えられねぇ系だな」
「はい?貴方が作法の教師……ですか?」
ん、キリアスこいつ信じてねぇな。
眉間にシワよってらぁ。
驚いたっつーより不快ってか?
俺ぁ嘘はついてねぇんだけどよ。
ちっ
めんどくせぇな。
「信じられないようでしたら、暫く敬語で話させていただきますね。私としましては乗馬なども必要ではないかと思いますが、いかがでしょう」
「君は……分かった、ではその通りに手配しよう。シエル」
「畏まりました。それではマナ様、こちらへどうぞ」
うぉっ!
いつからそこに!?
シエルと呼ばれ出てきたのは、例の(?)学生さんだった。
おおー、そんな名前だったのか。
……って、ちょい待ち?
俺今からどこ連れてかれるん??
どうしてこうなった。




