02
コンコン
「入りなさい」
「失礼致し……っわ」
「あ、悪い」
扉を開けたらすぐ俺。
まぁそりゃびっくりもするわな。
ってなんだ、ヤローかよ!
早速出てきた男キャラにふてくされながらも、俺は一歩下がって迎え入れた。
うーん、大人の対応!
俺って偉いよね!!
俺の謝罪の声に反応したこいつは俺に一礼して、お嬢様に向き直った。
「ただ今戻りました、お嬢様」
「それで?例の物は手に入ったの?」
「はい、ここに」
そう言って、男は胸元から小包を出した。
え、なにこれワイロ!?
それとも何かアブナイ物でも入ってる!!?
ギョッとした目を向けて見ていると、受けとったお嬢様が恍惚とした表情をしていた。
アブナイ方だったかー……
「流石ね、よくやったわ!」
「私のためですから」
「そうね、後で渡すわ」
「……後で、ですか?」
ちらり、俺を見るソイツ。
……私、だと?
二十歳くらいの若いヤツで私って使ってる男初めて見た。
なんかカッケーな!!
でもなんか、視線が痛いぞ?
俺ひょっとして不審者扱いされてる??
「マナの前でなら大丈夫のはずでは?」
「事情かあるのよ。――ねぇ、マナ」
「え、なに?」
「アンタ、この男の名前分かる?」
「………え」
え、なんの会話してんの?
そんな怪しい取引に俺いても平気なん??
………オラよくわかんねぇだ!
俺は聞かなかったことにして、お嬢様が言ったことを反芻した。
この男の名前、ねぇ…?
コイツもゲーム出てなくね?
ギャルゲー時代の主人公の執事兼友人とは容姿が違うし。
何か悪い気もするが、ここは正直に言っとくか。
「知らん」
「……マナも相変わらず、人が悪いですね」
「いやマジで。ガチで知らん」
「――…」
キッパリ。
そうハッキリ言ってやったら、流石に気づいたのか言葉を失う男。
それに対してお嬢様は、やっぱりねとでも言いたげに溜め息を吐いた。
「マナってば、昨日からこの調子なのよ。私のことも――――初めはバカにしてるのかと思ったわ」
「お嬢様のことまで?まさか…」
「悪かったな覚えてなくて」
「まったくだわ。けれど今度は、性格は変わらないみたいね」
「え、今度は?」
どういうこと?
性格が変わったり名前忘れたりって何?
マナにはよくあることなのか?
え、なにそれこわっ!
ていうか二重人格ってヤツ?
あーもう分からん!!!
「俺に分かるように言え!!」
「そうですね。私はリーク・モンティス、お嬢様の執事をしております。以後お見知りおきを」
「あ、うん。よろしく」
にこやかに手を出されたので、つられて握手する。
うーん、こいつが執事か。
なんか執事っぽくないんだよなー。
白い髪した、いかにもセバスチャン!って感じをイメージしてたんだけど。
ていうかギャルゲーの執事はそうだったんだけどな。
まるっきり違うゲームの中にいるみたいで、俺は思わず溜め息を吐いた。
その溜め息に反応したのか、リークは握った手に力を入れてきた。
ちょ、痛い!
なんだよ!?
「溜め息を吐きたいのはこちらの方ですよ、マナ」
「なんだってんだよ!」
「物静かだった貴方が、5年前のあの怪我以来突然乱暴になったり幼くなったり、コロコロ性格を変えていったかと思えば」
「あ?え?なんだって?」
「今度は私たちの名前も分からないとは、貴方はどれだけ心配させれば気が済むんですか!」
いやいやいやいや!!!??
めちゃくちゃ心配されてんのは分かったけど、コイツ何言ってんだ?
5年前の怪我?
性格が変わる?
まったくもって意味が分からん。
今は書きたいところを勢いがある風に書いてます。
が、小説風にきちんと書いた方がいいかな、と若干悩み中です。
意見・感想大歓迎!
早く続きが読みたいっていう優しい方、いましたらどこかしらにアクションお願いします!