04
リーク不在のため俺が、二人が帰るのを見送る。
めっちゃ激しくハンカチ振られた気がするけど、知らんぞ俺は何も見てないんだからな!
つーか、何でリーク居なかったんだ?
そんな疑問を抱きながら部屋へと戻ると、ソファにふんぞり返ったカノンと目が合った。
ちょっ!服!!
シワんなるわ!!!
「はよ脱げ!」
「じゃあマナの手で、優しく脱がせて」
「ぅぐっ」
ソウイウコト言わない!!
……最近のカノン、何か知らんが言い方が妙にえっちぃんだよな。
弄ばれてる気分。
ったく、俺が今男じゃなくて良かったな!
ふんっ!
……とはいえ、いつまでもこの格好でいさせるわけにはいかん。
今日は婚約者とのお茶会。
普段より少しばかり良いドレスを着ている。
いや、普段も充分良い服なんだけど!
庶民じゃ手が出ないほどだけど!!
……貴族ってホンット金持ちだよな……
腹ん中に色んな愚痴を溜め込みながら、カノンの服を脱がしていく。
パサッ
床に落ちていく度、俺の顔が火照る。
くそっ!
早く慣れろ!俺!!
何とか着替えを終えると、カノンは再びソファへ腰を下ろした。
俺もその隣へ座る。
前までならまだしも、今は俺も……まぁまだ日は浅いとはいえ、この部屋で暮らしているわけだしな。
おもいっきり寛ぎながら、さっきまでの疑問を口にした。
「なぁカノン、今日リーク休みだったっけ?」
「違うわよ、朝いきなり休みが欲しいって言ってきたのよあの子」
「へぇ?珍しいな」
「リーク、たまにそういうのあるのよね。いつも切羽詰まった風で言ってくるからOKしてるけど、今日くらいは居てもらいたかったわ」
「あー……」
あれか。
また王族やら上流貴族やらの話か。
そりゃ断れんわ。
つーか、やっぱカノンにゃ内緒にしてんのな。
別に言やぁ良いと思うんだけど。
……まぁ俺もカノンに言えねぇことあるし。
こればっかりは、しゃーねぇか。
ん?
そういや今んとこ何もしてないとはいえ、リークも協力してくれるんだっけ。
じゃあ俺も、何か手伝わねぇとな。
「俺の用事は終わったし、後は引き継ぐよ」
「……そもそも私、マナには遅くに帰ってくるよう言ったはずだけど?」
「あ」
そうだった。
俺の用事っつーより、追い出されたついでに店に行っただけだった。
…………?
結局、何で俺追い出されたん?
「何で俺、早く帰ってきちゃいかんかったん?」
「アイツと会わせたくなかったからよ」
「ん?アイツ?」
「マクルスのバカよ。まったく、貴方には言っといたのにこんな早く帰ってきちゃって!案の定あんなのと鉢合わせるんだから、こっちの予定狂いまくりよ!!」
おぉう、カノンが爆発した!!
つーか何だ?
マクルスと仲悪ぃっつーかカノンがマクルス嫌ってるっぽいのってまさか、俺が原因なのか?
そういやマクルスのヤツ、俺を雇うだなんだ……って言ったのはパーシーか。
とにかく、そんなワケわからん話してたな。
だからカノンは、俺とマクルスを会わせたくなかった。……とか?
うーん、ありそう。
カノンはマナのこと大事にしてっからなー。
でも、何でそんな話になったんだ?
いくらアホそうなマクルスとはいえ、会ったこともない人を雇い入れようとは思わんはずだが。
……まさか、マクルスとは街で会うより前に会ったことあるのか?
どっかで。
……どこで?
覚えが無ぇな。
いやもうマジで。
あ。
ひょっとしてマナがまだマナだった時とか?
なら俺が知るわけねぇな!
「なぁカノン?鉢合わせも何も、俺がマクルスを認識したのは今日が初めてなんだけど?」
「そうね、マナは知らないわ。だけどアイツは、あの……マナが私を強盗から庇って怪我をした、あの一件を見てたのよ」
「あー、あれか」
「私、その時にマナを譲れって言ってきたヤツがいるって言ったでしょ?それがマクルスなのよ」
「わーおマジかい」
カノンがまだ凶暴だったときのストレスの元凶か!!!
あれメンド……怖かったんだぞ!!
つーか、マナじゃなかった。
やっぱ俺が原因だわ。
マジかよ。
「だから、アイツの執事がマナと仲良くなりたいって言ってきたのは都合が良かったわ。いいわね、マナ。明日は何がなんでもアイツの弱点を聞いてくるのよ!!」
「そんな打算的な話だったん!?」
「ついでにあのバカの執事に、ウチが良いってちゃんと言ってきなさい」
そこはついでで良いんかい。
カノンのマクルス嫌いはソコからか。
うん、納得。
…………こりゃ、よほどのコトがなきゃー婚約者との正式ルートにゃ進まんな。




