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03


仕切り直しに店員さんに後の2品を貰い、すぐに食べ始める。


何を隠そう、俺はバナナが一番好きなんだ。


贅沢にふんだんに、これでもかと乗っているバナナにこれまたたっぷりとチョコレートがかかってるなんて。


これはもう神の所業。

エデンの食べ物。

幸せの味。



ああ、天国……



「ん、このコーヒー美味いな。いつもより喉の通りも良い」

「そりゃよかった」

「ああ、コーヒーの本来の美味さを知ったよ。これはマナが何かしたのか?」

「まぁ、ちょっとな」



いつも思うんだけどさ。

それ、くっっっそ甘くね?


いやマジでクソ甘ぇだろ。

砂糖6つだぞ?


普通入れても2個くらいじゃね?



「どうすれば美味くなる?」

「なぁに、砂糖を6つばかり入れただけさ。今度試してみろよ」

「6つ……それは、出来そうにないな」



そういって、しょげた顔をするロキ。

個室でもコーヒーを頼むくらいだ、砂糖をいくつも使ったなんて店員に知られたくないんだろう。



ったく、めんどくセーヤツ。



「なら俺とまたここに来るか? 俺なら砂糖たくさん使ったところで怪しまれないだろうし、ついでにいろんなデザートも食えるだろうよ」

「……! ぜひ頼む!!」



別にいいけど、コイツの甘いモンへの執着どうなってんの?



騎士団長という立場からして俺は、ディアスから話を聞いてるだろうからそこまで怪しい立場じゃないだろう。



でもよ。

警戒心、なさすぎじゃね?



俺だって慈善事業やってるわけじゃねぇんだ。

それなりの″見返り″が欲しいんだよ。





なぁ、ロキ?





「悪いが、俺だって只で付き合ってやる訳にゃーいかねぇのよ」

「なんだ、金か? 爵位か? 主人が通っている学園に入園したいか?」

「出来んのかよ!?――――――じゃなくて!!」



こいつ、どこまで本気なんだよ!?



なんでも出来そうな発言に驚くも、残念ながら俺の要望はソコじゃない。

いや、正直入園出来るってのは魅力的だが。



俺はあの学園には通えない。

この世界で、やりたいことがいっぱいあるんだ。



「俺に、乗馬を教えてくれよ」

「それは駄目だ」

「えっ、なして!?」



マジかよ!

うっわ断られるとは思わなかった!



普通、爵位取らせる方が難しくね?

なんなん?

ロキの判断基準ってなんなん??



つーか、この流れで断られるとはな。

流石にそう都合良かぁいかねぇか。



「ちなみに、なしてダメなん?」

「マナは女だからな」

「え、おまえがそれ言っちゃう?」

「……? どういう事だ」



男だとか。

女だとか。



決めつけられてツラい思いしてんの、一番嫌な思いしてんのお前だろ。



「性別は自分じゃどうしようもねぇんだ、ロキが一番分かってんだろ」

「それは……いや、そもそも何故乗馬なんだ? マナは侍女だと聞いているし、必要なら車がある環境だろう」

「俺の自由には出来ないんだよ。それに、車じゃ馬ほど小回りきかねぇし」

「この国には、買い物場所は身近にいくらでもある。俺のように戦に出向くならまだしも、普通の生活をしているマナには必要ないだろう」



正論だった。

俺は説き伏せるだけの言葉が出ない。




そもそも、必要なのは俺じゃない。

それでも身に付けたいと思うのは、カノンのためだった。




俺はなにも婿第一候補者、すなわちディアスとの結婚だけを視野にいれてるわけじゃない。

ロキと恋仲になる可能性だってあるんだ。



そして、ロキと恋仲になるために一番必要なバロメーターは、戦闘能力。



馬に乗り、戦場に向かう。

――カノン。



否。

正確にはカノンは始め、馬車に乗っている。


行き先は隣国で、護衛はロキで。

その道中に盗賊の集団に狙われ、戦うときにカノンが人質にされる。

その際戦闘能力――馬に乗れたり、剣を扱えたりすれば。

カノンがソイツを倒し、怯んだ隙にロキが親玉を倒す。



俺はカノンが誰を選んでもいいように、アシストしてやりたい。



だから乗馬も、本当は剣術も鍛えたかった。

自分で鍛えてカノンに教えて、ロキルートになったら俺もその旅に同行したかった。



そのためには、俺自身が強くならないといけなかったのに。





カノンの幸せのために動き、生きる。

それが、俺がこのゲームに転生したことの意味だと思っている。


けれど。


そんな理由、リーク以外に通用しない。

そもそも話す内容ではない。



つまり。

今の俺には、ロキを説得出来ない。




「ちなみに、どうすれば教えてくれる気になるんだ?」

「……諦める気はない、か」

「当たり前だろ。すぐ諦められるほど、そんな簡単に言ったつもりはねぇよ」

「そうか。ならば……体幹をメインに身体を鍛えておくことだな」



馬に揺られても酔わないように。

暴れても振り落とされないように。



もし落ちても、次の行動にすぐ移れるように。



「分かった」

「そうか。もう一度言うが、俺は本当はおまえに馬の乗り方など教えたくない。せっかくカフェ仲間が出来たんだ、そんな相手をますます危険な目に合わせたくないんだ」

「おう。…………はい?」



え、なして乗馬が危険なんだよ?

落ちるのはそんな、言うほどの事か?





そんな、辛そうな顔するほどなのか?







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