06
「リーク、丁度いいところに! 俺、おまえに聞きたい事あんだよ!」
「私に? ではお茶を用意しますので、いつもの席に座って下さい」
「待ちなさい天然ども」
天然ってなんだ?
呆れた顔を見せたカノンに、俺とリークは顔を見合わせた。
「リークは今日、別に執事としてこの部屋にいるわけじゃないんだからお茶の準備なんてしなくていいのよ」
「……ああ、確かに」
「そしてマナはね」
「お、おう」
「この部屋に来たってことは、まず私に用事があったんじゃないのかしら?」
「……ああ、確かに!」
ゴンッ!
イテェ、頭叩かれた!
なんだよー、ちょっとリークと反応同じにしてみただけじゃん!
……いや、まぁ確かに。
カノンへの用事で来たんだったな。
「今門の前にディアスがいるんだよ。カノンに話があるんだってさ」
「ディアス? ……そう、わかったわ」
一瞬。
なんだろう、カノンの目が大きく開いた気がした。
そのままサッと部屋を出るカノン。
ポツンと残されたのは、リーク。
ちょーど良ーじゃん。
「リーク、地下行こうぜ」
「え、ここじゃ……いえ、そうですね。分かりました、行きましょう」
リークも何か思ったんだろうか。
誰も居なくなった部屋でも話をするのは憚る内容だと。
気付いたんだろうか?
「なんっっっでディアス様がカノンちゃんに会いに来たの!!?ていうかマナ前にディアス様に会ったことないって言ってたのにいつの間に名前呼び捨て出来るほど親しくなってたの!?あーん、私だけディアス様に会ったことな~~~~~い!!!!!」
ああ、うん。
違った。
コイツが素で喋りたかっただけだった。
部屋につくなり頭をガシッと抱え込まれた俺。
逃げられねぇ。
力強ぇ。
てか男に羽交い締めされる趣味はねぇ!!!
「ちょ、おまっ!苦しいっての!」
「あ、ゴメン」
ぶへぁー、マジで苦しかったぜ……
解放された俺、バンザイ!!
てか素のリーク、スキンシップ激しくね?
男ってこんなもんだったっけ?
俺あんま友達居な……接触してなかったからな。
男はともかく、女性に触るなんて……
うん、まぁ。
お察しヨ。
「ってディアスと会ったことない? おまえ今日キリアスに会ってたし、王様とも会ったことあるみたいだったじゃん」
「……え?何で知ってるの?」
「ん?わりぃ、秘密にしてたとか?」
「べ、別に……そうじゃないけど」
「ふーん?まぁ俺も偶然知ったんだけどな」
偶然リークがいて(着いてったら)
偶然ディアス達に会って(兄弟喧嘩した二人が別行動になって)
偶然一緒に見せてもらっただけだし。
偶然だ、偶然!!
「さっき、ディアスと別室で見てたんだよ。リークがエライ人たち相手に箸の持ち方講座してるとこ」
「――っ!」
「あの秘密の小箱の中身、箸だったんだな。別に変な物じゃねぇし、教えてくれたっていーのに」
「え、待って!変な物じゃない、って本気で言ってる?」
「ん?おぅ、手作りって言ってたからソレは驚いたけどな」
箸を手作りするとか、器用だよな。
あの緩やかに先を細くしていくのとか、めちゃめちゃ大変だったと思うんだけど。
ん?
リークなんか驚いてる?
俺なんか変なこと言った???
「何で驚かないの?お箸は、この世界に存在していないのに」
……?
え、存在してない?
…………?
はっ!
しまった、語彙力喪失した!!!
いや、リークの言いたいことも分かるよ?
俺だって初めて見たときはそう思ったさ。
でもリークが使ってたし、他の貴族たちも使ってたから普通なんだと思い直してたんだ。
だからさ。
「箸って、最近発展させた文化なんじゃねぇの?」
「箸は、パエリアを作ったときに米の他の食べ方と一緒に提示したことがきっかけだから。最近も最近、まだ文化なんて出来てないよ」
――――何で、知ってるの?
なんて、リークに疑いの目で見られることになるなんて。
……思いも、しなかった。
今年最後に更新したいと思って……
来年、少しは仕事が楽になるハズなので頑張ります。
皆様良いお年を!




