03
……………
……………
……………はい?
え、今何つった?
教えを講う?
リークに?
レストランで???
「あの人執事なんですけど!?」
「へぇ、そうなんだ。あ、ひょっとしてフェリシア家で一緒に働いてるのかな?」
「そうそう、同僚なんだよ」
「ふぅん……フェリシア家には、優秀な人材が多いんだね」
「???」
優秀って、リーク一人で判断出来んのかよ。
まぁウチのスタッフ皆が優秀なのは確かだけどな!
てか今、なに考えてる?
ルミネスの、そのめちゃくちゃ思案顔なの何なの?
……引き抜きとかしないよな?
引き抜くならカノン(結婚)にしてくれ!!
ズキッ
(……ズキッ?)
なんだ?
胸が……ん、なんともないか。
「てかお前も行った方がいーんじゃね?」
「そうだね、マナも行くかい?」
「おう!……いやいや、何でだよ」
なんで普通に誘われたんだ?
公務なんだろ、部外者入れんなよな!
「実は、今日は弟がメインなんだ。俺は別室で待機なんだよ」
「へ? なんでまた」
「弟は公務初体験だからね。今日はそこまで重要な公務ではないけど、父の代わりで来たからには失敗は許されない。そこで俺がお目付け役になったんだよ」
「ああ、じゃあ俺も別室で見ていいってこと?」
「問題は起こらないだろうし、俺も話し相手が欲しいんだ。どうかな?」
一人で待機じゃ、そら暇だわな。
俺もリークが何の講師か気になるし。
「んじゃ行くか」
「そうこなくっちゃ」
まぁルミネスいるなら追い出されるこたぁないだろ。
俺は支配人にお辞儀されるルミネスを不思議に思いながら、進められるまま中へと入っていった。
用意された部屋は、殺風景だった。
モニターとソファと。
冷蔵庫。
グラスはテーブルの前に一つ置いてあったが、支配人が後から同じグラスを持ってきてくれた。
冷蔵庫を開けると、目に映ったのは酒類。
ワインやウイスキー、ブランデー。
おいこら支配人!
ルミネスは未成年なんだからな!
酒なんぞ進めんな!!!!
「って、なんだコーヒーあんじゃん。ルミネスもコーヒーでいいか?」
「ありがとう、コーヒー好きなんだ?」
「まぁな」
コーヒーはハズレがねぇからな!
これを初めて飲んだ人は偉大だと思う。
だって豆だろ?
普通、お湯で溶かして飲み物にするなんて考えねぇよ。
手早く二人分準備して、テーブルへと運ぶ。
そのままソファにドカッと座ると、モニターから『それでは~』と声がした。
「お、リークだ」
「丁度始まるみたいだね」
「ははっ、リークのヤツ緊張してらぁ!」
普段とは違う様子のリークに、つい笑みが溢れる。
地下室は別として、こいつぁいつも淡々としてるからな。
たまにゃー見慣れないリーク見んのも良いもんだ。
……あ。
そういえば、リークって俺が居るなんて知らないんだよな。
なんか俺、悪いことしてる気分。
にしても、執事が何の話するんだ?
適当に聞き流しながら画面を見ていると、リークがおもむろに胸元に手を入れて。
ん?
あれってまさか。
「……昨日の、箱?」
「うん? どうしたのマナ」
「いや、アレ? 人に見せれないって話じゃ……?」
自分が作ったという、ソレは。
俺が、誰もが見てはいけないはずの物だった。
細長い箱。
――コンコン
ガチャッ
ソレがテーブルの上に置かれるとほぼ同時に、部屋の扉が開いた。
支配人が、皆の前に一つずつ皿を置いていく。
なんだ?
何が始まる?
「では、今日はまずこれから指導させていただきます」
「今日はまた一段と難しそうですね」
「いやぁ、私もアレから練習したんですが……とてもじゃないが上手く出来ませんでしたよ」
口々に言うオッサン達。
けれど、それより動揺している顔が一つ。
ルミネスの、弟だ。
「申し訳ないが、リーク殿。私は初参加でして、これが何でどのように使うのかの理解がありません」
「ああ、キリアス様は代理でしたね。配慮が足りなくて申し訳ありません」
パカッ
蓋を開け、中身を取り出すリーク。
………はぁ?
……嘘だろ?
なんでだよ。
なんで、リークがこんなの持ってんだよ。
こんなん、絶対無いのに。
存在すら知らないはずなのに。
「キリアス様。これは私の遠い故郷に伝わる物で、お箸といいます」
――この、異世界の地には。
箸なんて文化は、ないはずだろ。
小説とは関係ありませんが、昨日どえらい自損しました(´・ω・`)
誰か慰めてください(;ω;`*)




