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03


あれから小一時間が経っただろうか。



バン!と大きな音とともにパーティー会場となった部屋の扉が開かれて。




現れたのは。




「カノン、様?」

「……あら、いたの。私は少し眠くなったから、部屋に戻るわね」



俯いた顔を上げ俺を見たカノン。



その瞳には。







色が、なかった。







「カノン!」



思わず声を上げた、瞬間。


カノンは弾かれたように走り出した。






(今、カノンを一人には出来ない…!)






持ち場なんて知るか!


そう思い、俺も慌てて後を追う。




てか、足はやっ!

ちょっと待てって!!





ガチャガチャ!



バン!!!





あっ!

ちくしょーっ、後少しだったのに!!




目の前で閉まった扉に、俺は苛立ち含めドンと叩いた。




「大きな音を立てないで。貴方は仕事中でしょう、私を追いかけて来ないでさっさと持ち場に戻りなさい」

「嫌だ! カノンおまえ、何があった?」

「私は眠いって言ったのよ。静かに、いえ向こうに行きなさい」

「カノン」

「っ……貴方には関係ないわ」

「関係あるに決まってんだろ!!」



転生者だとか。

ゲームを知ってるだとか。


そんなん関係ねぇ!




一月以上一緒に過ごして。

いっぱい共有した想い。



心配かけたし笑いあったし。

秘密も教えてもらった。



俺も、いずれは。

秘密を共有出来ればいいとすら、思う。




カノンがマナを、俺を。

大切にしてくれたように。



俺もカノンを、大切にしたい。

大切だと思ってる。




「俺は、カノンの力になりたいだけなんだよ……!」





だから、扉を開けてくれ。






――カノン






ガチャ



「……本当、煩いわね」

「カノン!」

「生憎、只の使用人である貴方が私の力になれることなんて…」

「婚約者」

「え?」

「婚約発表があったんだろ? 相手は同じ伯爵子息だったか」

「……なんで、アンタがそれを?」



知ってるの?


そう問うカノンの眼に、疑問がうつる。




悪いな、カノン。

俺は知ったんじゃない。




思い出したんだ。







クリーム色のドレス。

初めの違和感はそこだった。



クリーム色。

白に似た、色。





それは、ゲーム開始時にあるイベントで婚約者となる令嬢が着ていた色だった。





なぜすぐに思い出さなかったかと言われてしまえば、一応理由はある。


俺は普通に黒いスーツだったし、一回見ればスキップ出来たから結構飛ばしてたし。


パエリアだって、日本だとそこまで特別なときに出す料理ってほどでもない。



それに。

ゲーム本来なら二年後。


最上級生になってからだった。





まあ、なんだ。

結局のところ俺は――――油断、してたんだ。






「貴方まさか……父と、手を組んでたの?」

「いやいやいやいやありえないから!!!」




ってなんだその結論は!!?



俺だってゲームじゃ散々振り回されてたし今だって会ったこともないし!



なんなら敵だ、敵!!!!!




「俺は! おまえの助けになりたいの!! あんな愉快犯なんざ知るか!!!」

「ゆっ、愉快犯……ふふ、そうね。確かにそうだわ」




お、やっと。




笑ったな、カノン。




「私が父に何を言われたか、教えてあげるわ。立ち話もなんだから中に入って」

「おう」



電気も着いてない部屋に促され、手探りで適当に見つけたイスに座る。


明かりがつけば、そこはいつものおやつタイムに座る席。



短いようで長い、一ヶ月。

ずいぶん慣れたもんだと実感した。




「そうね、何から話そうかしら……会場に入って数分で父の挨拶が始まったの」

「あー、そこら辺はいい。興味ねぇ」

「相変わらずはっきり言うわねアンタ。まぁ良いわ、じゃあ各々で食事や会話を楽しんでいた時、扉が開いて一人遅れて入ってきたの」

「ああ、あの優雅な……」



会ったことあるよーな妙な人ね。




「その人とは昔から馴染み深い伯爵仲間でね。父も久しぶりに会った伯爵と暫く話してて――そしたら急に、その伯爵の息子と婚約発表されたの」

「急に?」

「そうよ。父は心配事が無くなったからって言ってたわ。けれど逆に、伯爵子息は心配だらけだから話を進めたいって様子だったわね」

「心配事、ねぇ?」




そもそも心配事なんてあったか?




俺ぁあの人にゃ心配とか何とかなんざ言われた事ねえぞ?


事業は安定だし、むしろこんな早い時期なんてゲームじゃ無かったし。

隠しルートとかでも見つからんかったし、攻略サイト見まくったけど知ってる以上の情報はなかったしな。



母親がいないのは随分前からだし、カノン自身は健康そのものだし。




……ん?

健康?





「……ひょっとして、原因って……俺?」

「私絡みの心配事っていったら、そうね」





マジか!!!

つーかカノンもあっさり認めんなよな!!!!!







更新遅くなってます、すみません。

仕事が落ち着いたらまた書くペースも上げたいですね。



更新出来なかったのにプクマ増えてる…!

ありがとうございます!!


面白い話が書きたいですが万人受けするの書けないので、今のように書きたいのを書けるペースで頑張っていきたいので応援よろしくお願いします!

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