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03




「なぁカノン様、ルミネスってヤツ知ってる?」

「知るわけないでしょ、誰よそれ」

「だよなぁ……」

「マナの知り合いですか?」

「知り合いっつーのかアイツ?」

「なんで疑問系なのよ」



婿候補のはずのルミネス。


俺がルミネスを知らずともカノン本人なら知ってるかと思ったんだが。



カノンも知らないんじゃ、しゃーねぇか。



「すまんな、忘れてくれや」

「ヘンなマナ……ってそれは前からね」

「確かに」

「んなバカな!?」



誰がヘンだ!

俺はフツウじゃ!!






――そんな会話をした、翌日。






「やぁ、また逢ったね」

「なんでだよ!?」



なんで居る!!?



カノンは今日も学校だしリークは忙しいし、暇だから散歩でもしようと外に出ただけなのに。

門を背に立っていたのは、まさかのルミネス。



神出鬼没だなコイツ。



「なんで俺ん家知ってんだ? つーか今日のおまえ怖くね?なんだその格好」

「まぁいいじゃない。ところで、マナは今からどこに行く予定なの?」

「スルーか」



昨日の帽子を深々と被りサングラスをしている姿は、パッと見誰だか分からん。


俺も帽子知ってなきゃ不審者で通報してたぜ、きっと。



「別に、どこっつー目的はねぇよ。俺ぁただ散歩しようとしただけで」

「それなら、俺とデートしようよ」

「へぁ? でぇと?」




デェトって何だっけ?




聞き慣れないセリフだなー。

なんて考えていると、腕を引かれた。



おいまたかよ!?


ていうかこっち、痛い方の腕!

痛いんですけど!!


え、ちょっと待て?

マジでちょっと痛いぞ?


うっわサイアク!

さっきまで痛みなんてなかったのに!



皮膚が伸ばされたからか?

ピリッとした痛みが何つーか……あーくそっ!



「だーもうっ!わかったから引っ張んな!!」

「ふふ、ありがとう。じゃ、こっちきて」




嬉しそうにすんな!




ニコニコと笑うルミネス。


ちくしょー、年下っていう価値を全面使ってきやがって!!



…………そういや弟か妹が欲しかったんだよな、俺。




腕を離し手を繋いでくるルミネスに弟みを感じた俺は、つい握り返していた。














「……生きた心地がしなかった」

「そんな大袈裟な」

「おまえ何なん!?」



どこぞの御曹司かコイツ!?



着いてった先にあったのは、見ただけで分かる超高級車。

カノンの車も気持ちよかったけど、比較にならんくらい凄かった。


車を走らせている間に備え付けてある冷蔵庫からジュースをもらった俺は、絶対高いヤツだと思いチビチビと飲みながら待つこと二時間弱。


着いたのは。




「ここって王族専用のプライベートビーチじゃん!!?」

「え、知ってるの?」

「そりゃもう!ずっと行ってみたいって思ってた、まさに夢にまで見た場所なんだぜ! なんだよルミネス、王族に親戚でも居んのかよ!?」

「ああ、うん。そんな感じかな」



スッゲー!!!

そりゃ高級車持ってんのも納得だわ!!!




このビーチは思い出がいっぱい詰まってるんだよな!



可愛い水着着た王女たちと一緒に何度も遊びに来て、各ルートごとにイベントがあって!

上の水着が流されたり日焼け止め塗りあいっこしたり、終盤では告白前にキスしたり……ああ、グラフィックが綺麗だったなぁ本当!!!



「おーい、戻ってきて」

「えぇい煩い! 水着持ってこいや!!」




可愛い王女に着せる水着!!!




「え、着てくれるの?」

「なんで俺が!?――ああ、そうだった……」



この世界には、いるのは王子だったな……。



思考回路がトリップしてたぜ。

現実で転生してんのにな俺。


ばっかでー俺!




……

……

……俺の桃源郷、グッバイ。




「あっちに着替えあるし、好きなの選んでいいよ」

「……………わかった」





くそぅ、こうなったらマナを俺好みにしてやるぜ!!!!!





な、難産パート2……。

遅くなってすみません。

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