出会いと始まり
「なんっっっじゃこりゃあーーー!!?」
目が覚めたときには、女だった。
ここはどこだ?
周囲をキョロキョロしてみるも、なんだかぼやけていて室内ってこと以外は何もわからない。
とにかく神様曰くゲームの中なのだから、どこか知った場所はないかと天井も地面も確認―――え、なんかヒラヒラしてる?え、これってスカート?
そういえば股がスースーするような…………
……………あ゛ーーーーー!!!!!???
「おい幼女!いるんだろ!?」
『幼女じゃないです神様ですぅ』
「いたなバ神様!何で俺が女になっとんじゃ!?」
よくみりゃ胸の膨らみもあるし、地面近いし、まんま女じゃねぇか!
俺ァ男で満足してたんだ、勝手に性別変えた罪は重い!!!
神様に平気で暴言を吐きながら詰め寄るけれど、流石神様というべきか、平然としている。いや、この状況が分かっていないのか?
怒りに震えている俺を見て不思議そうにして――言った。
『女の子になりたいんじゃないんですか?』
女の子がいっぱい出てくるじゃないですか~~~………この幼女め!!
俺は女になりたいんじゃなくて女と恋愛したいんじゃ!!!!!
……なんてこと、神様とはいえ幼女に説明出来ないか。
「俺は、男のままで良かったんだよ…」
『えっ!?ご、ごめんなさい……じゃあ陰ながらフォローさせて頂きますので、どうかお許しを!!』
あ、この流れ。
男に戻れない感じじゃね?
『あ、そろそろ行かないと!ではまた!……この始末書も書かなきゃだから、仕事増えちゃったよぅ…』
始末書ってオイ。
聞こえてんぞオラ。
でもそうか、俺もう社会人じゃないんだな。会社に行かなくていいんだな。
あのストレスから解放されたと思うと嬉しいぜ!
――さて、ここはどこだろうか。
神様がいなくなったことでなのか、いつのまにかクリアになっていた景色を見渡してみる。
綺麗な絨毯に、壺やら絵画やら骨董品が並ぶ。天井を見上げれば、ところどころにシャンデリアがゆらゆらと揺れていた。
どうやら金持ちの家らしいな。
どうせなら主人公になって女の子とラブラブ……いや今俺女だったな。じゃあGLか。百合か。
俺じつは百合も嫌いじゃないんだよね。
ちょっと予定とは違ったが、ウハウハライフを送ってやる!
「アンタ、さっきから何ブツブツ言ってんのよ」
「………へ?」