04
「アンタのせいなんだからね!!」
「ひぇ怖っ」
「なぁんですっっってぇ~~~!!!」
あ、ヤバい余計怒らせた。
てかなんで怒ってんの?
迎えに行かなかったから?
怪我したから?
リークとの秘密の部屋(?)に入ってたから?
「どれも違うわよ!!」
「心を読むな!!」
「声に出してたわっ!」
おぅそりゃ失礼。
でも、それらが違うならサッパリわからんぞ。
そう思いはてなマークを出す俺に気づいたんだろう、ヒートアップしていたお嬢様がふぅと息を吐いた。
うん、冷静になってくれ。
頼むから。
「あの時アンタ、私を車に押し込んだでしょう。私に、危害が加わらないように」
「まぁ、うん。そうだな」
お嬢様に仕えている身だし、そもそもおなごを怪我させるわけにゃーいかないし。
俺の武士道に反する!!
え、何か習ってんのかって?
……未来の武士道がそうなんだよ、うん。
「で、それの何が問題なん?」
「その事自体じゃないわ。それを、見た子がいたのよ」
クラスメイトで、同じ伯爵の子息なのよ。
意味がわからん。
あの時間なら誰かに会わないわけもないし、あの輪の中の一人だったとしても別におかしかねーわ。
ていうか男なら助けにこいよソイツも!!
「ソイツとんだ軟弱者だな!!」
「なんでアンタが怒ってんのよ。刃物相手に無理でしょ普通。だから――狙われたのよ、マナ」
「…………はい?」
「だから、引き抜きよ! この私にあろうことかマナを譲れって言ってきたのよ! 物怖じしない勇敢で美しい女性をぜひ傍におきたいってね!!」
大声を出したお嬢様。
息が荒い。
どうどう、落ち着け。
「ストップストップ、どうせ断ったんだろ?」
「当たり前よ! でもその話を出会った瞬間にするものだから、皆寄ってきちゃったのよ。私よりもその侍女が目立つっておかしくない!? 私自身が目立たないとか、そんなの面白くないじゃない!!!」
なんだ、つまり俺に怒ってんのか。
……
……
…………俺とばっちりじゃね!!!?
「理不尽だ!!」
「うるさい! とにかく私は怒ってるんだから、罰としてご機嫌取りしなさい!」
「ひどっ!」
どんな悪女なんだ、この伯爵令嬢は!
今流行りだからな、目指してんのか?
俺はツンデレお嬢様タイプが好きだな!!
「だ、だから…………名前、呼びなさいよ!!」
「はい、どタイプどストレートきました~~~~~!!!!!」
「なっ、なによそれ……っ」
いや待ってコッチがなによだよ、なんだよそんな可愛いお願い事ならすぐ叶えてあげますよコレがご機嫌取りになるんですねお嬢様~~!!?
……ん?
「俺、名前で呼んでなかったっけ?」
「呼んでない、ていうか一番初めだけ呼んだけど後はずっとお嬢様だったわ」
「あー…そうだったっけ?」
「名前言わせるためにわざわざカノンお嬢様って教えたのに、なんで名前省略してお嬢様呼びにしちゃったのよ……マナのバカ」
そんな理由があったとは!
なんだ、お嬢様って"マナ"の事が大好きなんだな?
お嬢様の、まぁ友達か恋かは知らんが好きになった"マナ"と違う人格でゴメンな。
「悪かった。じゃあ、カノン様でどうだ?」
「えぇ、いいわ。但しこの部屋に居るときは呼び捨てになさい」
「ええっ、いいのか? 俺、仮にも侍女「カノンちゃ~~ん、今日はムニエルだったよ~~!」……なんでもない」
「分かればいいのよ」
なんってタイミングで来るんだリーク…!
ていうか足音なかったよな?
え、なにリークも忍者なん??
ああそうか。
この部屋きっと防音仕様なんだな。
うんうん頷いている間にも、リークによってテキパキとランチセットが用意される。
きっちり3人分。
……おやつタイムの時も思ったけど、普通主人と従者が同じテーブルで同じ物食っていいんかな?
まぁ、お嬢様が気にしてないし良いとしよう。
3人とも手を合わせ、頂きますと礼をした。
パンに手を伸ばすと同時に視線を感じ、見るとリークが俺を見ていた。
「なんだよ」
「んー?嬉しいなって思っただけよ」
「嬉しい?何で」
「だってマナってば、この口調の私をあっさり受け入れるんだもの。嬉しいし、びっくりよ」
「別にそんな、俺はその人がその人らしく生きればいいと思ってるだけさ」
「……! うん、ありがとう」
え、そんな礼言われる事か?
不思議そうな顔をしたら、リークは笑いながら自分の料理に手をつけ始めた。
なんかよく分からんが、よかったよかった。
ズキッ
痛っ!
いきなり頭が痛くなる。
まさかまたアレか、最近よく鳴るヤツか?
ピッ
ピッ
ピピッ
ピコッ
―――――ピ―――――
[ イベント確認
カノンの愛情度+10
"リークからの愛情"確認 ]
……いやいや間違ってんだろ!!
色んな意味でおかしい頭に、俺はセルフでツッコんだ。




