03
部屋の主はリーク♂
リークの主はお嬢様。
お嬢様はGLご所望。
ていうか男嫌い。
そして。
俺の手にある本は。
「……お嬢様の、ってわけじゃねぇよな?」
「っ!!」
確認するように呟いてリークを見れば、真っ赤になった顔が一つ。
じゃあやっぱアレか。
これはリークのなのか。
この、BL本は。
「リークおまえ、腐男子だったのか!?」
「キャー! やめて、言わないで!!」
「へ?」
「あ、やだっ」
きゃー?
やだ?
ちょっと待て。
え、マジでちょっと待って!?
失言に気づいたリークが口を押さえたけど、もう遅い!
バッチリ聞かせていただきました!!
「おまえオカマだったのか!」
「オカマって言わないで!!」
ちょっと性別間違えちゃっただけよ!!!
ああ、うん。わかる。
俺も幼女に性別変えられたからな……(遠い目)
「じゃあ今まで敬語だったのは」
「勿論、この言葉遣いがバレないためよ。でも駄目ね、この部屋に来るとどうしても口調が戻っちゃう」
「でもおまえ、本来の部屋じゃ敬語だったぞ?」
「そりゃそうよ、あっちの部屋には他の人も来るからね。でもこの部屋を知ってるのはカノンちゃんだけだから、私も素で居られるの」
流石に伯爵は知ってるけど、一度も来たことないしね。
――ああ、なるほど。
俺にバレたからか一切敬語がなくなったリークは、なんだかスッキリしたように見えた。
黙っているのって精神的にツラいからな。
うんうん
よしよし
さて、それはともかく。
俺もスッキリさせてもらうぜ!
「なあ、リークは男が好きなのか?」
「グイグイ来るわねアンタ。私はBL本が好きなだけで、男が好きって訳じゃ……あるけど」
「あるんかい。あ、ついでにもう一つ。お嬢様がGL好きなの知ってたのって何かきっかけでもあるん?」
「ついでで私とカノンちゃんの大事な馴れ初めを聞くな!」
うっせー!
何となく気になったんだよ!!
「まぁいいわ。私とカノンちゃんはね――…」
って結局話すんかい!!
なんか途中わけわからん自慢話とかで長かったから要約すると、リークがまだ新人だった頃本屋でバッタリ会ったらしい。
BLとGLのコーナーで。
「本屋に行くと男がBLなんてって眼差しが凄かったし、それはカノンちゃんも然り。だからあの場で会えたのはまさしく運命だったわ!」
まぁ要するにお嬢様がBL、リークがGLを買って後で交換するってなったようだ。
まだその方が、周囲の目が気にならんらしい。
この世界も同じか!
好きなもの買うだけなのに、非情なり!!!
「あ、ひょっとしてリークがお嬢様にあげてた小包って…」
「ああうん、GL本。本当はマナもこの部屋に来てたから、あのときは報酬であるBL本を貰えなくて驚いたよ」
マナが部屋から出てったときに、ちゃんと貰ったけどね。
なるほど、あのときのワイロは"怪しい"の意味が違ってたわけか。
「――出迎えがないと思ったら、貴方たちサボってたのね」
「へ? わっ、お嬢様!」
「カノンちゃん!?あらやだごめんなさい、もうそんな時間だったのね!!」
何で居んの!!?
いま音もなく突然現れたよな?
え、忍者?
ていうか入園式は?
「俺送ってったし、帰りも迎えに行くとばかり!」
「マナは怪我してるから、私が他のメイドと行くようグレイスさんに頼んだの。今日は式だけだから、そろそろ良い時間だと思ってね」
「え、いつ?」
「お茶を淹れに行ったとき――あ、そういえばもう食事の時間ね。待ってて、持ってくるわ」
え、でも片道一時間くらい掛かったぞ?
ああ、そういや帰りは急いでたとはいえ30分くらいで家に着いてたな。
あ。
階段を昇っていくリークを横目に、そういえば言ってなかったなと思い直す。
「おかえり、お嬢様」
「ただいま…って違う! 私は今日アンタのせいで疲れたんだからね、悪く思うなら私のご機嫌取りしなさいよ!」
「へ?」
え、なんで怒ってんの!!?
またまた続いてしまいました…!
この話は次で最後、のハズです。はず。
この話がありきたりなのか珍しいのかはわかりませんが、楽しんでいただけたら嬉しいです。




