霧山城にて
「ここが...?」
「はい、霧山城。1万5000騎を有する我が軍の本拠地です。」
かなりの山道を歩いた先にあったのは、なんとも立派なお城だった。先程歩いていたのは恐らく城下町ということになるのだろうか?
「どうじゃ、わしの城は?」
「凄い.....」
「くっくっく、言葉もでないか。」
大きく笑う我が主は、まさしく豪傑と呼べる風貌をしていた。
「はよぉ、ついてこんか。ボケっとしおって。」
怒られるのはいつぶりだろうか...。そんなことを考えながら、2人について行った。
「若が帰られましたよ!」
「!!」
突然、藍色の武士、いや青年が叫んだ。すると、
「「「「「おかえりなさい、殿!」」」」」
一斉に数十名の武士が出てきた。圧巻である。
「殿!黒龍と白龍が研ぎ終わりました。いつでも使える様に殿の部屋に置いてあります。」
「あぁ。ご苦労。」
「殿!旬の野菜と徴収した米が届いています。」
「あぁ。ご苦労。」
「殿!火谷軍に動きがありました。ご確認を。」
「あぁ。ご苦労。」
「殿!」「殿!」「殿!」
よっぽど従われているのだろう。部下の武士の目は輝いている。
「殿。この者は?」
「あぁ。道端で拾ってきた石ころじゃ。磨いて宝石にする。」
石ころて。
「は。刀と道着と袴を用意しておきます。」
「うむ。」
はやくこいと言わんばかりの目で、こちらを見ている主。そして、相変わらず無表情に近い青年は真っ直ぐ城へと入っていった。
「さて、竜之介よ。貴様は今から急ぎで強くなってもらう。火谷軍との戦いに備えてじゃ。」
「!!」
「貴様は常に鋼と殺し合い続けろ。実戦に慣れるのじゃ。」
「!!はい。」
「いいな?鋼よ。貴様は加減をするのじゃぞ。」
「はい、若。」
「よろしくお願いします。鋼...さん?様?」
なんて呼べばいいのだろうか?
「よろしくお願いします。私は鋼雅人です。鋼でいいですよ。明日から頑張りましょう。」
ここから、鋼との地獄の稽古が始まった。
言うの忘れてましたが、フィクションですから。名前地名はオリジナルです。被ってても許してください。