2話 入団
今日は入団式の日だ。
キングは家から飛び出して、マッシュ、ケアフルと待ち合わせをした場所にまでいく。
3人の住んでいる町は、ラブ王国のV市街地であり、山や森が多い比較的田舎である。
そこから歩いて、30分程で、王国の中心でもあるLOVE市街地までつくのだ。
このラブ王国は、L、O、V、Eの4つの市街地があり、その中心部にLOVE市街地がある。
L、Oは都会でV、Eは比較的田舎である。
LOVE市街地は、L、Oと比べ物にならないくらい栄えている。
そのLOVE市街地の広場で入団式が行われるのだが、観客が大勢集まってくる。
この世界では、レデーから得られるソースによって国が成り立っているので、そのレデーと対戦する事が仕事のギルドのラブクリエイター達は、国民からの支持も厚い。
歩きながらマッシュが色々と教えてくれる。
キングは結構無知なのである。
そして、LOVE市街地までつき、広場までいくと入団式の案内をされる。
3人は広場に整列させられた。
すると国王が入場し、国王が国民に向けて話をする。
約10分間に渡って、話が終わると、全てのギルドの長でもあるラブマスター、ヘブンリーの挨拶が歓声と共に始まる。
「諸君、私が!この国のラブマスターのヘブンリーだ。新たにギルドの一員として共に戦えることを光栄に思う」
入団する者に対しての激励と祝いの言葉だった。
ヘブンリーは身長が高くて強く、優しく、3人の憧れの存在であった。
そして、続いて各ギルド長が登場する。
ホーリーラブのギルド長〝ラブエレファント〟サングラスをかけた短髪の男らしいギルド長である。
グレースラブのギルド長〝ダンシング〟踊りながらレデーを魅了すると言われているギルド長である。
クローズラブのギルド長〝サモン〟切れ長の目で常に音楽をかけている。
ディープラブのギルド長〝マウンテン〟おじ様系のダンディなギルド長、メガネがトレードマークだ。
ペンラブのギルド長〝アディマン〟酒好きで見た目がイカツイ。
スリーラブのギルド長〝ハーフ〟彫りが深くギルド長の中で1番の男前で、女性人気が高い。
トゥルーラブのギルド長〝ケーイ〟自分の信念を貫き通すギルド長、顎ヒゲと煙草がトレードマーク。
全員の団長が見守る中、入団式は無事行われた。
入団式では、ラブクリエイターとしての証である賞状がヘブンリーから手渡された。
入団式が終わり、キング達3人は、広場を後にしようとすると
「お、3人も24になって入団する人がいるのか」
話しかけてきたのは、高そうな服を着た、小柄な少年だった。
「僕の名は、オフ、見ての通りおぼっちゃまさ!ちなみに僕は今年初の試験で1発合格さ」
自慢げに話すオフにキングは
「まじか!それはすごい!!」
目の色を変えて、食いつく。
それを見たマッシュは呆れてキングを引っ張って行く。
「お、マッシュ何する。まだ、話してる途中だぞ」
「そうだ、待てよ!まだ話してる途中だぞ!」
そして、マッシュがキングを引っ張りながらギルドトゥルーラブへと着いた。
トゥルーラブのギルドはLOVE市街地の南西に位置している。
〝コンコン〟
キングはノックしてみるが、応答なし。
5分後もう一度ノックするが、応答なし。
すると、、
「ごめん。ごめん。待たせたな」
後ろから声かけてきたのは、トゥルーラブのギルド長であるケーイだった。
煙草を吸いに行っていたようた。
そして、早速中へ案内される。
そのまま、簡単にギルド内や各自の部屋を案内された。
そして、ミーティングルームへと最後に連れてこられ、ケーイから説明を受ける。
「お前たちは晴れてラブクリエイターとなった訳だが、すぐにラブマスターから依頼が入ってくるだろう。明日には新人のお前達でもすぐにな。」
「え、そうなんですか?」
キングは食い気味に聞いた。
「ああ、だが最初は簡単な任務からだ。だからといってもレデーを相手にしないといけない。俺たち男に流れてるラブというエネルギーを使って繰り出す技には属性があるのは知っているか?」
キングは、呆然とした。
知らなかったのだ。
「おい、キング知らないのかよ」
マッシュは呆れている。
「は、は、は」
ケアフルは苦笑いである。
「しょうがない、説明してやるか」
ケーイは面倒くさそうに話しはじめる。
ラブを用いた技にはそれぞれ属性があり、その属性によってレデーとの相性も変わってくるのだ。
パワーを根源とした〝ゴリゴリ〟効果範囲の広い〝オラオラ〟相手を褒めちぎる〝ホスト〟身体強化の〝ボディ〟精神強化の〝マインド〟勢いだけでテキトーな〝ノリノリ〟個性派の〝オリジナル〟ネタ系で楽しませる〝ユーモア〟物体を作り出す〝アイテム〟相手を翻弄する〝テクニック〟
これら10種類の属性を基本としている。
「それぞれ得意なジャンルとかは、少なからずあるからちゃんと勉強しとけよ。じゃ後で呼ぶから部屋で待機してて」
そう言うとケーイは、ミーティングルームから出て行ったのであった。