1話 ラブ王国
25世紀のある年、300人の男子が突如消えるという事件が起きた。
それは、ある天才学者の仕業であった。
その学者は、年々深刻になる少子化問題を気にかけていた。
その原因の1つとして、草食系男子の増加。
これに目を向けた学者は、草食系男子を集めた。
そして、学者は長年研究し続け、異次元に別の世界を作る事に成功した。
しかも、そこに人類を移動させる事も可能としていた。
学者は集めた300人の男子を一斉にその新たな世界へと転送した。
それから1彼らはその世界を少しずつ形作っていった。
そして、100年が経ち、世界の一部として動き出している。
学者は、その世界の事をこう呼んだ。
〝ラブクリエイト〟
ラブクリエイト、ラブ王国
「俺も明日からラブクリエイターとして、やっと一人前になれるんだな」
彼の名は、キング、24歳、ラブ王国の国民で元気だけが取り柄である。
「そんなにはしゃぐなよ。子供じゃないんだから」
彼の名は、マッシュ、24歳、キングの幼なじみで冷静沈着で頭の回転が早い。
「でも、やっと待ちにちまった日ですからね。気分が上がるのもわかる気がしますよ」
彼のはケアフル、24歳、同じくキングと幼なじみであり、控えめな性格で誰にでも敬語を使って話す。
彼らは幼い時からいつも一緒である。
そして、この世界には、男子と女子、動物以外にも女性の外見をした妖精が存在し、この世界ではレデーと呼ばれている。
そのレデーには、ソースと呼ばれるパワーがあり、そのソースを使って、この世界では食料や物資を生み出している。
そのレデーからソースを奪うことができるのは、この世界では、男のみである。
この世界の男にはラブというエネルギーが流れている。
そのラブをコントロールし、レデーのソースを奪う。
それを出来る人の事をラブクリエイターと呼ぶ。
ラブクリエイターは、ギルドを構えており、そのギルドに所属している。
しかし、誰でもギルドに属す事が出来るわけではない。
年に1度のギルドに属す為の試験を受け、合格した者がギルドに所属出来る。
この試験の資格は20歳から得ることができ、キング達は、4年目にしてようやく、ギルドへ所属出来る事になったのだ。
ギルドは、7箇所存在する。
ホーリーラブ
グレースラブ
クローズラブ
ディープラブ
ペンラブ
スリーラブ
トゥルーラブ
そして、3人はその中のトゥルーラブに所属する事になった。
いよいよ明日がギルドへの入団式であり、全ギルドの所属長も集まるこの国のお祭りみたいな日である。
3人は胸を躍らせていたのだった。