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○○男子&○○女子  作者: 田中 真
1/1

天然女子

私京子は高校1年にして生まれて初めて異性に告白をしました。

すごく緊張して声も震えちゃったけど、彼に私の思いは届いたのかなぁ…。


そんなことで私は今彼の返事を聞くために学校の体育館の裏に来ています。



「……あれ?体育館の裏…だよね?」


確か私が告白したら彼は「今日の放課後体育館の裏に来て。」と言ったはず。…はず!


まずいまずいまずいまずいまずい


私がここに来てからなんだかんだで1時間も経ってるではないか、どのクラスももうすでにHR(ホームルーム)なんて終わってるはずだ。



「もしかして…場所間違えた?」


よく思い出してみれば告白した私は緊張していて彼の話したことも耳に入らなかったかもしれない、だとしたら彼は今どこに?

いやもしかすると会う約束なんてしてなかったかもしれない!まさかあの時もうすでにフラれていたとか!?


私は昔からこういうことがある。

いつも大切なことを忘れてしまうのだ。

そのせいか周りからは『天然ガールのキョーコちゃん』だなんて呼ばれてる。正直うざい。


「しかしこの状況はまずい…どうする私…落ち着け、こういう時は素数を数えるんだ…1,2,3,4,5…」


ピロン♪


「line?もしかして彼から!?」


牛乳買ってきて〜、できれば賞味期限が遠いやつね!ps.最近スクショというものを覚えました


「お母さんんんんんん!!!!」


いや待てよ…?


「そうだよlineで聞けばいいじゃん!なんでこんな簡単なこと気づかなかったんだろ〜!えっと確か彼のlineの名前は…」


その時私の指先が止まった。そう、知らないのだ……彼のlineを。


これは…終わった。もう詰みだ、王手だチェックメイトだ。

彼は今頃私のことをずっと待ってるかもしれないのに…。


「あ〜あ、これは嫌われたかなぁ。」


そう呟きながら今にも溢れそうな涙を拭いその場にしゃがみこむ。


実際のところまだわからない。彼が明日返事すると言ったかもしれないし本当に彼が遅刻してるだけかもしれない……真面目な彼に限ってそれはないと思うが。


「こんなことなら告らなきゃよかったな…私、最低だ…。」


「あれ、京子こんなとこで何してんの?」


「彩香…。」


彼女は同じクラスの彩香。料理部であり私の親友。『天然ガールのキョーコちゃん』を命名したのも彼女だ。それに関しては謝ってほしい、てか謝れ。


「私さ今日告白したじゃん?なのに待ち合わせ場所忘れちゃってさ…馬鹿だよねぇ、ほんと。」


「え?京子結局告白したの?」



……は?何を言ってるんだコイツは


……あれ?私告白した…よね?


「京子ずっと告白できずにいたじゃん、今日の昼休みなんかも私と予行練習なんかしちゃってさぁ〜!」


なるほど。そういうことか。

これでは天然ガールなんて呼ばれても仕方ないな。


「いやぁ、でも京子もついに告白できたか〜、頑張ったねぇ!」


「うん、私頑張るよ。」


「え?頑張るって…何を?」


「あははっ、ほんと馬鹿みたいだね。」


明日はしっかり告白しよう。連絡先も聞こう。…予行練習もしておこう。


天然な私は今恋愛をしています。





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