其の肆 新しい日と初仕事
予告通り桜川目線です。あと、今回は2000字を超えています。
まあ、全体的に展開が早いと思います。
遅めにすると展開がお見通しになり、個人的にお見通しな展開は退屈なので…。
ってか、設定が二転三転するに嫌気が差すなぁ。
秋田君が電気を消したので、直ぐに寝ようと思ったが全然寝れなかった。仕方が無いので、素直に羊を数える事にした。この方法って意外に成功するんだよね。
「羊が1匹・羊が2匹・羊が3匹・羊が4匹・羊が5匹・羊が……………。」
しかし、既に100万匹の羊を数えたが、未だ眠れない。素直すぎるよ私。1万匹を数えた所でそろそろ諦めても良いんじゃないかなぁ。
そんな私に対して、秋田君は寝ていた。凄い羨ましい。寝るの早いよ…。しかし、寝た頃に時計は23時だったので、そりゃ寝ている筈だ。しかも、明日は6時30分には起きないといけないし…。
仕方ないので、彼を抱き枕代わりに使う事にした。そういえば、普段も抱き枕が無いと寝れない事に今更ながら気付いた。
そうしたら、いつの間にか寝ていた。
朝、6時15分。目覚まし時計が鳴った。まあ、お互い朝に弱いので、15分前にアラームを掛けておいた。
知らない内に私の抱き枕になっていた彼は、
「おはよう、汐理。(ここまでは手話)って、立てないんだけど。何故?朝なのに金縛り?」
と言っていたようだ。とにかく彼は驚いていたので、彼は起き上がろうと頑張っていたそうだ。その激しい振動で私は起きた。
「おはよう、駿輔。顔洗ってくるね。」
「あのなぁ、汐理。本当に驚かせないでくれ。」
私は知らない振りでやり過ごそうとしたが、ばれてしまった。彼は少し鈍感な所があるから、もしかしたら上手くいくんじゃないかなって思ってたのに…。
「いいじゃん。寝れなかったから抱き枕代わりにしたって。」
「この年頃なんだし、少しは羞恥心とか持とうよ。」
ここまで言われてしまうと、私も言葉が出ない。よく考えてみると久しぶりだな、彼に言いくるめられたのって。あの時は………いや、また別の機会に話します。だって、恥ずかしいんだもん。
「まあ、準備しましょうか。」
「眠いなぁ。面倒だから朝食は昨日の残りね。」
まあ、昨日はカレーライスを作り過ぎたので、忙しい時(特に朝)に食べることにした。冷蔵庫もあるから、暫くは持ちそうだしね。
朝食を食べて一通りの準備をした所で、私達は職場に向かった。集合時間の10分前に着いてしまった。私達は腕時計を持っていたので早く着くのは知っていたが、まだ制服を貰っていなく仕事についても知らされていなかったので丁度良かった。
それにしても、吃音の彼と聾者の私の仕事ってなんだろう?私達が出来る仕事って少ないな。特に私。それ故に不安だ。でも、彼は大丈夫と励ましてくれた。本当に彼は優しいと思う。
これ以上の余談は別の機会に話すとしましょう。だんだん字数稼ぎになりそうだし。でも、作者は基本的に大らかだから、気にしないと思うけど。
私達の初日の仕事は、放送室の仕事だった。ラジオ放送の技術があるから、館内アナウンスが出来ても不思議ではない。
しかし、業務連絡とかも放送でやるので、かなり重要な仕事なのだが、1~2ヶ月前から放送質の担当者が育児休暇をとっていたので、一人当たりの負担が大きくなってしまったので、私達が行う事になったそうだ。
秋田君は不器用だけど機械の扱いが上手なので私は安心した。私は実は少し機械が苦手なんだよね。でも、マイクに向かって話した事が無いから不安だな。
説明が終わったら仕事用の制服を貰った。秋田君は本当に似合ってるな。まあ、その彼も私に似合っているって言っていたけど。
練習をしてみたら所、順調に連絡等が出来ていたので安心した。それにしても私達はチームワーク良いなぁ。私が言うのもどうかと思うけど。やっぱり、相棒がいると心強いね。
その後に朝礼があったが直ぐに終わり、リハーサルと機械の点検作業に追われていた。一通りの確認作業が終わった時には開店30分前だった。残り10分ぐらいだと思っていたんだけど…。
朝礼の前が開店45分前だったんだよね。15分間を35分だと感じるなんて体内時計が早い証拠だ。楽しいと感じていた。この仕事が楽しいのもそうだけど、彼と一緒に仕事をするのも楽しかった。確かに、彼が相棒になってから、体内時計が早くなった気はするが…。
リハーサルが終わると放送室が静寂に包まれた。しかし、この静寂を彼が打ち破った。
「なあ、汐理。」
「何?」
「なんか、時間が早く感じないか?正直、今が開店30分前だとは少し信じられないのだが。この1年間、ずっと時間が早く感じていたが。」
「全く同じ事を考えていた。確かにそうだよね。なんか不思議だよね。ここ1年間、ずっと体内時計が急に早くなった気がして…。」
こう思っているのも無理はなかった。
だって、私は駿輔の事が好きだ。
でも恋愛感情とは無縁ですけどね。仮に恋愛感情を持った所で、彼は高嶺の花だし。だって、彼ほど優しい人はいない。どうしようもなく不器用だけど、それが彼の優しさの原点だと私は思う。それに他人の痛みについて本当に分かってくれる。彼が吃音でイジメられた事があるからだと思う。
そんな事を考えていたら、いつの間にか開店時間になっていた。
因みに最後の方は、個人的に気にいっていません(笑)。
文章の繋ぎで入れてみました。ただ、ふざけ過ぎたのが後悔です。
でも、変えないでいこうと思います。設定の二転三転防止の為にも。