其の壱 今回の事の始まり
まあ、二部構成です。
まずは、二人が出会ったきっかけ。次が、物語の序盤中の序盤です。
更新が大変遅れてスミマセンでした。
まず予告通り、どうして私と汐理がタッグを組んだ理由を説明しよう。
最初はお互い知らなかったのだが、偏差値が結構高い方の高校に入学して、入学早々にディベートがあった。ディベートは言ってナンボの世界。私は、酷い吃音を持っているので、大変なのは具体的に言わなくても分かると思う。
その時、私と同様に障害故に大変な人、それが汐理だった。私の中学校の同級生の一人が私の「話している事をほぼ同時に且つ綺麗に書く」能力が有れば、聾者である桜川をカバー出来るのではと言った為、彼女と一緒のチームになったのが事の始まりだろう。
それ以来、何かと一緒になる(裏で一緒になるようにやっているらしいが)事が多く、席替えでは、毎回隣に居た。
まあ、汐理のお陰で色々な経験をさせてもらった。だから、私は彼女に全く頭が上がらない。また彼女も私に全く頭が上がらないそうだが…。
まあ、一人だと半人前レベルだが、二人いれば三人前レベルになった。
彼女は私より賢いのだが、不定期な波があるので、安定している私よりテストの点が低いこともあり、割合で言うと四対六で彼女が勝っていた。
運動面では私の方が出来るが、彼女が男性ならきっと私より出来たレベルだ。
あと、彼女は……いや、容姿についてはあまり触れない事にする。まあ、「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」とだけ言っておこう。
説明は終了だ。これ以降は本文です。
高一の三学期の試験休みの最初の日に起きたら、桜川が居たのに驚いた。
そして、私も汐理もお馴染みの制服姿だった。お互い寝巻だった筈なのにだ。
「シチュエーション的にRPGの世界でしょ。」って桜川が言っていた理由は、前日(試験最終日だった)に私の友達が要らなと言っていたRPGを貰い汐理とプレイしたら、通常75時間はかからないと表クリアが出来ない物を私達は25時間で裏クリアした。そして、その次の日に別世界にいるのなら、フラグの法則(って有ったけ…)でRPGの世界なのだろう。と言う意味だ。
そんな事を思い出していたら、汐理が
「こんな格好でRPGの世界に飛ばされるとか信じられないよ。」と言っているが、
確かに上がブレザーなのは私と同じだが、下がスカートなのは移動する時の弊害になる。
「でも、道具が豊富だし、筆記用具と紙が有るから話す事も出来るから、別にいいか。」
私は汐理に励まされているのは日常茶飯事といってもいいだろう。まあ、桜川の切り替えの速さも安定している。でも、ポジティブにならないと障害を抱え込みやすいですよね。
汐理と一緒に初挑戦する事が多くなって、なにかと不安を抱える事が多くなった時、桜川はいつも私を励ましてくれた。そして私は、彼女のサポートをしっかりして、いつも良い結果を残していた。
だから私は、
「確かにそうですね。頑張りましょう。」
と書いた。汐理は聾者なので、吃音持ちの私が無理に言わなくても良い。それは私にとって本当に都合の良い事でもある。一応、手話での会話(お互い上級者なので…)も出来るが、「汐理は言って、私は書く」話し方の方が圧倒的に速く話せた。
「まあ、今は早朝だし日が暮れる前に村に着きましょう。白昼に(人間から見て)敵は自分から現れる事は少ないからね。」
汐理の言う通りだ。今、RPGの世界ではかなり危険な密林の中にいるので、急いで安全な町や村に行く必要があるだろう。なので、私達は適当な方向に歩きだした。
それから、100分近く歩いて、町の姿が見えてきた。
「あと、30分くらい歩けば着くと思います。」と手話をし、休憩しようと思った。お互い、かなり歩いて相当疲れていたからだ。
その時、妙な物音がした。
そして、まさかと思って周りを見渡すと、嫌な予感が見事に的中していた。
因みにこの作品は、秋田と桜川が共有している日記帳に書かれている設定です。
吃音が出ないのは、その為です。
基本的に秋田の目線で書きますが、時々桜川の目線で書きます。