社内情報4
「すみません、実は相談があって」
新人が相談しに来た。現在の案件についてだろうか。
面談室を予約し、話を聞くことにする。
「なんだか、自分がずっと見られているような気がするんですよね」
「誰かに監視されているということ?」
「はい、気のせいかもしれないので言いづらいんですが、webの記事に・・・」
ああ、私が戦っている相手のことか。
まだ私は『その人』を捕まえられていない。
「難しい問題だね。確証を掴みにくい」
「はい、どうやらいろんな意見の人がいるようで」
「複数人ということ?」
「はい。組織的に行っているのだと思います」
最近は彼の言う通り、派閥争いの様子を呈している。
「貴方はどういう意見?」
どこの派閥に属するのか、と聞いたつもりだったのだが。
「僕は、争っているそれ自体を見たくないんですよね。普通の記事が読みたいです」
「普通の記事?」
わかっていないのだろうか。私は必死に『その人』を押しとどめているのに。
私は争っているが、普通だ。こちら側のほうが多数だし、犯罪的でない。
まあ、いつかわかるだろう。どちら側が普通なのか。
彼もまた、この争いの中で戦う一人になるのだ。それは決まっているのだ。
なぜなら、社会はそうしなければ生きられないのだから。
それまで私にできることは、戦いつつこの人たちを正しく教育し、見守ること。
さあ、私の側においで。
この相談も、大切な意見として取り上げよう。
人々を混乱させる悪しき者に抵抗するために。




