表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

やがて私は“彼”になる

 決められた運命。プログラムされた世界。

それを、あなたは信じますか――?


 いつからだろう、いつからだ。もうそれを思い出すことはできない。

この世界は、いや、少なくとも自分の周りは、“決められた通り”に進んでいる。

 毎日夜、就寝前、私はニュースをチェックする。

今日どんなことが起きたのか。私の知らないところでどんなことが話題になっているのか。それを見ることは自分と世界を切り離して考える素になるし、明日の話題の種にもなる。

実際そんな出来事などなかったかのように毎日は淡々と過ぎてしまうのだが、それでも自分と関係のないどこかの世界の何かを、知っていたい。それは心の平穏にもなる。遠い世界の出来事だからこそ、冷静に捉えられるということがある。

 ところが、そこにときどき“異物”が混ざる。

これはどこの世界だろう、と開いたニュースが、まさに自分のいる世界だったとき。

いや、自分のいる世界のことを異物というのはおかしいが。

遠い世界のことを報じていたニュースが、急に自分の隣に来る。それはまさしく“混ざったもの”に見えた。

 これは異物だ。

何事もなかったかのように見ていた隣の席の子が話題になっている。

ニュースに名前は出ていないが、その行動、特徴、今日見た彼女に間違いない。

いや、同じような他の人だろうか。

いや、いや、いや。私は動悸を抑えようとする。

よく見ろ。どこか違う情報があるはずだ。

これが彼女じゃないという証拠が。どこかに。

 ない。

しかし、彼女の動作を見ていたとき、記者がいただろうか?

ここに書いてある○△新聞。

報道陣が入るなどとは聞いていない。周りにいたのは、よく知った人ばかりだ。

そうら見ろ、このニュースはどこか別の場所の話だ。

そう思って過ごしている。実は、毎日。

毎日近くの出来事と同じことを報じるニュースがある。

今日の時間は、彼女の動きから4時間後くらい。

徐々に、その報道までの時間は短くなっている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ