事情
「ちょっと聞きたいことがあるんだが。」
俺はそう女兵士に尋ねた。
「ヘェェ?」
完全に恐怖に怯えた感じだな。まぁ全身血だらけだし?致命傷だったのが一瞬で治ったし?何より笑いながら殺ってたことかな?
「女。名前は?」
「イヤだ...殺さないで...」
「大丈夫だ。今はそんな気分じゃない。」
「だから女。名前は?」
「...ヘルガ。」
ようやっと答えた。名前はヘルガか。さて、こっからだ。
「さて、聞きたいことがあるんだが。いいか?」
コクコクっと首を縦に振る。よし。だいぶ落ち着いたな。
「俺の聞きたいことってのはな、ここはどこってこと。それと、戦争の状況。それから...」
「お待ち下さい!そんないっぺんに言われても答えられません!一つずつにしてください!」
それもそうか。
「じゃあ一つずつ。ここはどこだ?」
「ここは人族と魔族の領地の境界です。ここから東は人族の領地 ここから西は魔族の領地となっています。」
段々と返答がまともになってきたな。
「二つ目、セレスティーナとは聞いたことはあるか?」
「セレスティーナですか?あのッ、クソッタレめッッ!!あいつはッ、この戦争を引き起こしたッ、張本人ですッ!!」
一言一言を吐き出すように言っていく。何かあったな。
「そいつは具体的には何をしたんだ?」
「あいつはある日突然現れてッ、各種族の領地を半壊させていったのですッ!」
「そして奴はこう言いましたッ!『私はセレスティーナ。各種族の天敵である。私は今すごく退屈でな。何か余興が見たいのだ。だから、さぁ、私の掌の上で狂うがいいッッ!!』そう言って奴は、領地の民や領主を洗脳し、戦争を勃発させたのです...」
最初の方は怒り心頭だったのに、最後の方は真っ白になったな。まぁ無理もないか。というかアイツそんなヤバい奴だったのかよ。ドン引きするわ。
「それにしてもやっぱり嘘ついてたか。」
「...嘘?」
ヘルガが反応する。
「あぁ。嘘だ。アイツは俺に頼む時に、戦争が止められないから助けてほしいみたいなことを言っていたが、アイツは暇つぶしで戦争を引き起こし、俺を転移させた。」
ヘェ、ソウイウコトカ。アイツメ、次に会った時に蹂躙してヤる。
「ヒィッ」
ヘルガの方を見ると、ガタガタ震えていた。
殺気が漏れ出たらしい。
「すまんな。」
とりあえず謝ったし、これでいいだろ。
しかしなぁ、方針がなぁ、どうしようかなぁ。
悩んでいると
「で、では一度、壊れてない街に、行くのは、どうでしょう?」
まだ少し怖がってるな。
「まぁいいか。それで。」
物語の方針がなぁ。どうしようかなぁ。