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ある青年が頑張る話  作者: ピヨピヨ
物語の始まり
2/20

プロローグ2

「エェッッ?!」


聞こえてきたお願いに、心底びっくりした。

まぁ、神様からのお願いというから、すごいのが来るかと思ったら、世界を救ってほしいって……


「…ちなみに、救ってほしいというのは、どういう意味ですか?」


「言葉の通りでございます。今、私の世界は魔族とそれ以外の種族との間の戦争が絶えないのです。」


「…ちなみにどのくらい?」


「約40年続いております。」


「40年ッ?!」


俺が生まれる前じゃねぇか!…まぁ、いいか。


「はぁ.... まぁ、いいですよ?」


「本当ですか?!戦争ですよ?!死んじゃうかもしれないんですよ?!」


いや、神様から言ってきたんでしょうが。


「それは、そうですが。私が言うのもおかしいのですが、何故すぐに引き受けてくださったのですか?」


本当に不思議そうに聞いてくる。『何故』かぁ...


「俺は、今の世界だと馴染めていない気がするんです。

なんというか、こう、ぬるま湯に浸かってるというか。とにかく、俺は刺激が欲しいんです。」


「…もう、家族や友人に会えなくなるのかもしれませんよ?」


なんだか悲しそうな顔で見てくる。


「俺は家族とも友人とも、周囲の人間とうまく噛み合わないんです。だから、未練はないです。」


「…分かりました。本来なら、こちらの世界のことなので、関係のない人を巻き込みたくはなかったのです。」


本当はそうなんだけどね。


「引き受けてくださり、本当に、ありがとうございます。成し遂げることができたら、あなたの願いを何でも叶えてみせましょう。」


願いか...思いつかない。


「いきなり戦争に送り出されたら、アレでしょうし、何か道具を揃えましょう。」


「いいんですか?」


「いいんです。こちらがお願いしましたから、このぐらいはさせて下さい。」


「ありがとうございます。ではですね、お金と、装備と、何か他に旅用の道具をお願いします。」


「かしこまりました!それでは、一年分の保存食と…」


…エッ?


「あとはすぐに傷を治す薬...」


それは欲しいかも。


「が無限に湧き出る水筒と…」


…エェッッ?!


「あとは、死んでも生き返る魔術の札と…」


「魔術?!」


「はい。魔術はご存知ですか?」


「知ってますけど、えっ?そちらの世界って魔法とかがあるんですか?!」


「はい、ありますよ。」


ニコリと微笑む神様。ていうか魔法あるのか〜。


「魔法とか魔術は努力次第で習得できますよ。是非、習得なさってください♪」


…まぁ、あんまり興味ないけど。一応頑張ってみるか。


「えっ。興味ないんですか?」


少し驚いた顔をする神様。


「そんなに無いですね。」


「そうなんですか…」


少しだけ悲しそうな顔をしている。一応頑張ってみるって。…一応ね。


「……はい。」


「…そうでした。道具の準備でした。あとは、旅に適した服装と、宝石と、神様が認めた証、あとは神様との通信機。このくらいですね。」


「色々とツッコむところがあったような…」


「気のせいですよ♪」


……そうだな。気のせいだな。


「それでは、あちらの世界に送り出します。肉体の年齢はそのままで、装備でしたね。」


「はい。なんか、手頃な物を頼みます。」


「はい、お任せください。それでは転移を始めます。」


「あぁそうだ。なぜ、俺が選ばれたんですか?他に適任者がいるような気がしますが?」


「それはですね、あなたが分け隔てなく接することのできる人だからです。」


「ふーん。あっ、そうだ。成功の条件は?」


「…そうですね。戦争が終結すれば、成功です。さらにいえば種族同士が仲良くなれば、もっと良いです。」


「了解です。」


「はい。本当に、この度はありがとうございます。」


視界が黒く霞んでいく。転移が始まってるのか。

そろそろだな。よし、気合入れていくぜ!


「世界をお願いします。」


完全に視界が黒くなる前に、そんな声が聞こえた。


行ってきます。


「お気をつけて」

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