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一日の終わり

作者: おとのみ

 時々そういうことがある。眠たくないけど眠たいとか、何かしたいけど何もしたくないとか。そういう、相反したことを同時に感じてしまう。相反したことは本来は同じなのだと、誰かが言っていた。難しいことは私には分からない。私が今考えなければならないことは、どうやって眠りにつくか、それだけなのだ。


 他の人はどうしているだろう、ということはよく考える。仲の良いあの人、片思いのあの人、嫌いなあの人。みんなは何を考えているのだろう。頭の中に絵を浮かべながら、できるだけたくさん考える。とことん具体的にしていく。きっと彼は、私の事を考えているに違いない。私にLINEをしようか迷っているところだ。メッセージを打ち込んだまま、送信ボタンを押せずにいる。彼は怖がりだから、私に嫌われるのが怖いのだ。そうだ、きっとそうに違いない。そうやってじっくり考えて、ある程度まで行くと、そんなことはないだろう、と頭の中で呟く。イメージはすぐに消えてなくなる。今日も同じことだ。


 こうなったらどうしようもない。コンビニに行こうと思い立って、私は家を出た。午前三時の街は思いの外明るい。私のお気に入りの金麦は売り切れていたので、本麒麟を買って帰った。本麒麟は苦いから、私はあまり好きではない。けれど、味なんてどうでも良いのだ。350の缶を一気に飲み干して、私は布団に潜る。何かを考える間もなく、重たい眠気がやってくる。今日という日が強引に終わる。明日の用事は何だったろうか。思い出せない。けれど、私は今日を無事に終えるのだ。今はそれだけで十分だった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 意志と身体がばらけてる感じが好きです
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