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王立惑星芸術情報機関・アーカイブ 二

「あれ?これってエスカの贋作ですか?」

「!!!」


そう言った瞬間、この部屋にいる全員(宇宙人を除く)が僕を刺すような眼差しで見つめた。


「えっ?皆さんどっ・・・どうしたんですか?」


僕は彼らの眼力に当てられて腰が抜けそうになった。そして僕が驚いているのを見かねて東郷さんが口を開いた。


「何故これが贋作だと?」

「えっと・・・」


僕は三年前の記憶を辿った。あの素晴らしいエスカの個展を思い出す。


「三年前、兄に連れられてエスカの個展を見に隣町まで行ったんです。その時にこの絵も展示されていて・・・僕が見たものはもっと禍々しくて青白いオーラのようなものが感じられたんですけど・・・でも三年前のことなので・・・すいません。贋作だなんて失礼なことを」


東郷さんは僕をじっと見つめている。


「いや、君が言う通りこの絵はエスカの贋作だ。ある展示会で1日だけ展示する予定のな」

「なぜ贋作の展示を?」


本物があるにも関わらず、贋作の展示だなんて。


「とある賊からご丁寧に犯行予告が来たのよ。エスカのカエルアンコウの絵を盗むってね。だからその犯行予告の日だけこの贋作の方を展示するのよ」

「でもその日来た人は本物のエスカの絵が見られなんですよね?例え一日だけでも人を騙すようなのは・・・」


僕は少し熱くなってしまった。三年前はまだあまり有名ではなかったが、今ではエスカは売れっ子の画家だ。だが本人が堅物なのかなかなか展示会が開かれない。だからこそ待ちに待った人も多いのではないかと僕は思った。


「無論、これは最終手段だ。展示会が始まる前に賊は捉えるつもりだ。だた今回の展示規模は大きすぎる。念には念を。それが我々のモットーだ」


東郷さんは力強くそう言った。


「東郷のおっさん、今回の作戦一般人に話しちゃっていいんですか?」


ジーノさんは呆れた顔をしていた。


「彼の贋作を見破られてしまったんだ。申し訳ないがアルスくん、暫く君達は私たちの保護下に配置される。君からの機密漏洩が心配なのではないが・・・君に身の危険が迫るかもしれない。念には念をだ」

「えっ?」


上手く状況が飲み込めない。僕たちを保護?


「護衛は・・・」

「俺は無理っすよ。ガキのお守りなんて」


ジーノさんが間髪入れずそう言った。


「何よ。冷たいわねぇ。まぁジーノちゃんは明日から本格的な張り込みだからしょうがないわね。本当はなんだかんだで面倒見がいいんだから言い方で誤解されるわよ」

「よっ余計な御世話っす!」


エルザさんの思いがけない返答にジーノさんは少し慌てた様子だった。


「何しろ俺は無理っす。まぁどうしても〜とかめっちゃやばいこれはやばいマックスやばいって状況にでも陥ったら連絡ぐらいはしてもいいぜ」


多分ジーノさんのであろう電話番号が書かれたハンバーガー屋のレシートを渡された。


「あっありがとうございます」

「連絡する時は俺が分かるように内容は簡潔にな。わけわからなかったら速攻で切るからな。じぁ俺はそろそろ今帰るぜ」

「また、男と女を漁りに行くだけだろう」

「るっせ!今日の埋め合わせだ。堅物女」


久世さんに悪態をつきながらジーノさんはオフィスを後にした。そしてまた誰が僕たちの護衛につくかの話に戻る。


「う〜ん。私が名乗り出たいところだけど本業の方が納期前なのよねぇ。東郷ちゃんはここを離れられないし・・・。ってことでカナトちゃんよろしくね」

「私ですか?」


久世さんはかなり驚いた様子だった。


「だって、今いるメンバーは私たちだけだし、カナトちゃんとアルスちゃん見た感じ年も近いでしょ?たまには年の近いこと交遊でも深めてみれば?」


エルザさんは揶揄うようにそう言った。


「学校だけで十分です」

「またそんなこと言って」


エルザさんは顔をニヤリとさせてそう言った。

「アルスちゃんこの子ちょっとお堅いけどいい子だから仲良くしてやってね」

「はぁ」

「余計な御世話です」


半ば強引に僕たちの護衛になることになった久世さんだがもう腹を決めているようだ。それに気付いた東郷さんは久世さんに声を掛けた。


「ありがとう久世くん」

「いえ、大丈夫ですよ東郷さん・・・やり遂げてみせます」

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