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黒い森 七
ソノラ
その三文字が私の身体全体に響き渡る。まるで私の全てが生まれ変わったように、その言葉は全身を駆け巡る。ソノラ私の名前。私が初めて名付けられた名前。
小雨降る黒い森の中で生まれた新しい私。
私に名前を付けて気が済んだのか、男はポットやガスコンロを片付け始めた。
「そろそろ寝るかぁ。大分遅くなってしまったが、ソノラも少し元気になったみたいだしな」
元気?あなたにはそう見えるの?
「出会った頃より大分顔色が良くなっているぞ。これでぐっすり寝ればもっと良くなるはずだ」
そういって男は私を抱きかかえて、テントまで運んだ。
「狭いが大きくて良い寝袋を使っている。きっとぐっすり眠ることが出来るぞ」
私たちは寝袋に入った。
「おやすみ」
男はテントのランプを消し、目を閉じた。そして私も目を閉じ不快眠りについた。




