戦いの外側
一方、久世とジーノは慎重にこちらの様子を伺っている。
「やばい。このままだとあの男死ぬぜ」
「あぁ。奴は今回の事件関係者だ。出来れば生きたまま取り押さえたい。だが・・・あの少女が私たちの味方かどうかはまだわからない」
「あぁ。下手に動いてもあの速さ、辛うじて回避できたとしてもあれは多分五分の力も出し切ってないって感じだったぜ」
久世さんは少女の動きをじっと観察している。
「ただ素早いってだけならまだ良いがな。それよりも彼を早くあの場から遠ざけたい。危険すぎる。何か策はあるか?」
「久世さんヨォ、策があったらもう実行してるぜ」
「・・・そうだな・・・」
「気になるのはまたあの薬の餓鬼が気絶したふりをしているかもしれないってことだな」
ジーノさんは瓦礫の上に倒れこんでいる少年を指差した。
「いや・・・薬の子供は多分気を失っている。だからこちらに攻撃してくることはないだろう」
「なぜ気を失っているとわかる?さっきみたいに気を失っている振りをしているだけかもしれないぜ。誰かさんは見抜けなかったもんなぁ」
「・・・あの少女が薬を高速で弾く又は吸収した様は見たか?」
「あぁ、それがどうしたんだ?」
「その時、あの少年はもう一つの薬の小瓶を投げつけようとしていた。」
「げっそうなのか?」
「その瞬間、あの少女は少年の鳩尾に多分一撃食らわせていた」
確かに、少年の周りにはその一撃によって吐き出された吐瀉物のようなものが確認できる。
「おいおい。それだけの動体視力があるなら、あの宇宙人のスピードにも追いつくんじゃね?」
「・・・私は辛うじて少年に対する彼女の攻撃と薬を弾く又は吸収するような行動が捕らえることが出来ただけだ。あとは周りの状況でそれが確かなのだと確認した」
「確実に捉えたわけではないってことか」
「あぁ・・・だが、あの宇宙人が少しでも隙を見せてくれたら彼をあの場から遠ざけることぐらいは出来るかもしれない」




