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ピンチ2

「待ってくれ」


久世さんが少年に声をかけた。


「彼の代わりに私が人質になろう」

「むぐぐぐぐぐっ!!!」


久世さんは一体何を言っているんだ!!


「へぇ?何か裏があるんじゃない?こんな凡人の身代わりなんて普通しないよ」

「いや、特に策などは練っていない。彼の安全が第一優先だ」


久世さんは理路整然とそう言った。もう覚悟は決まっているようだった。


「はははっ面白いなぁ」


少年は久世さんを指さすと、ニヤニヤ笑いながら手招きをした。


「ねぇ早くこっち来てよ。早く来ないとこの弱そうなお兄ちゃんとお腹にくっついている宇宙人が最初の実験台になっちゃうよ。あと余計な行動をとったらどうなるかもわかってるよね?」

「うぐぐぐ!!」


久世さん来ちゃダメだ!そう叫びたいが大男のごつい手で塞がれた口ではそう叫ぶことが出来ない。


「わかった。今そっちに向かおう」


久世さんは迷いもせずそう言った。


「おい!お前・・・」


ジーノさんが言葉をかけるがそれを遮るように久世さんは少年の方へ歩き出した。


「さっきも言ったけれど、そのツンツン頭のお兄さんも少しでもおかしな行動をとったらこのお兄ちゃんがどうなっても知らないからね」


そう言って少年は薬品が入った瓶を僕の顔に近づける。


「クソッ」


どうしよう・・・なんとかしないと久世さんがこの薬の餌食になってしまう。


「ぐぐ・・」

「無駄な抵抗はよせ。お前みたいなひ弱なやつじゃ奇跡でも起きない限り俺には勝てないぜ」


大男はそう言ってニヤリと笑った。


そうだ・・・僕が何かしたところで・・・でも考えるんだ。こいつは今立場が逆転してとても油断している。そこをなんとか利用できないだろうか・・・そうだ!!


「なっ!?」


僕は体を大きく上下に動かした。確かに力じゃ勝てない。だけど体全体で抵抗したら少しは驚いて隙ができるかもしれない。大男と少年は僕の動きをみて少しびっくりしたようだった。

その一瞬の隙を見てジーノさんと久世さんが僕に向かって走り出した。それに気づいた少年は大声で叫んだ。


「お姉ちゃん達は間に合わない!ゴズ!そいつ放しちゃっていいよ!」


少年が僕に小瓶を投げつけると同時に、大男は薬に巻き込まれないよう僕から離れた。

ダメだ・・・薬が僕の目の前まで来た。


「わぁぁぁ」


パリンッ


空気を刺すような綺麗な音がした。


「ふぅ。久しぶりに起きたのになんだこの有様は・・・」


透き通るよに響く声が聞こえた。目を開けると半透明な女の子が憂鬱そうに僕の目の前に立っていた。その少女はさっきまで僕のお腹に巻き付いていた宇宙人だった。


「・・・君は一体?」

「我か?我の名は・・・」


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