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突然の戦闘

大きな男が背後に立っていた。


「貴様!何者だ!」


久世さんは素早く戦闘態勢に入り剣を構えた。


「あぁ?俺たちは・・・」

「俺たち?しまった!」


その瞬間地面からもう一人現れ久世さんを攻撃し始めた。


「逃げろ!!」


久世さんが大声でそう叫ぶ。


「流石に俺たちでもアーカイブ二人と張り合うのは骨が折れる。まぁ一人ずつだったらどうかな」


大男はじわじわとこちらに近づいてくる。

あぁ完全に僕をアーカイブの戦闘要員だと思ってるな。僕はコーヒ屋でバイトしているただのしがない絵描きなのに。


「あのアーカイブの構成員がこんなガキとあんな小娘とはな。笑えるぜ」


そう言って男は腕をこちらに向けて振り下ろした。


「ひぇぇぇ」


思わず目を瞑ってしまった。恐る恐る左側をみてみると、硬いコンクリートの壁にしっかりとしたヒビが入っていた。


これはやばい!僕は反射的にその場から離れた。


「逃げたって無駄だぜ」


男は勢いよく飛び上がり僕の行く手を阻んだ。僕は来た場所をまた戻った。


「追いかけっこか?いいぜ!たった遊んでやる」


僕が必死で逃げている道のりを軽々と走って追いかけてくる。このままだと拉致があかない。どう足掻いても僕の腕力じゃあの大男に敵いっこない。そんなことを考えていたら小さな段差に躓いてしまった。咄嗟に腹に抱えている宇宙人を庇う。


「痛ったい・・」


少し強めの痛みが僕を襲う。そういえば、僕運動神経が悪いんだった。


「鬼ごっこはもう終わりか?小僧」

「はぁはぁ・・・鬼ごっこなんてしてたつもりないんですけど」


どうにか時間を稼がないと。僕の力じゃこいつを倒せないし、逃げることも出来ない。だからって久世さんが来てくれるとも限らない。本当は来てほしいけど・・・ダメだ。今できることを考えろ!


「あっ!!」

「えっ?」


僕は男の後ろを指差すとそれにつられて男は顔を後ろに向けた。

今だ!

僕は走り出した。思っていたよりも頭は良くないようだ。でももうこの古典的な技は通用しないだろう。


「俺を揶揄いやがったな・・・許さねぇぞぉ」


やばい、むしろ怒らせてしまったった。さっきよりも早い勢いで男は僕を追いかけてくる。


「もう鬼ごっこは止めだ」


そう言って男は周りの建物を破壊し始めた。


「わっぁぁ」


僕は落ちてくる瓦礫の下敷きになった。さっきよりも体が痛い。ふと目を腹に向けると相変わらず宇宙人が無表情で僕の腹に抱きついている。


「よかった。無事だ」


でも状況はかなり悪くなった。


「ちとやりすぎたな。おい、小僧どこだ?」


男が瓦礫に埋もれている僕を探している。


「どうしよう」

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